著者
池田 研
出版者
大阪歴史博物館
雑誌
大阪歴史博物館研究紀要 (ISSN:13478443)
巻号頁・発行日
vol.11, pp.55-64, 2013 (Released:2022-06-11)

バイゴマは巻貝のバイの殻を素材にした独楽で、江戸時代には庶民の間で広く普及していたことが知られているが、考古学的には実態の不明な部分が少なくない。本紀要の第9号では大坂城下町とその周辺から出土したバイゴマの集成を行ない、文献史料と比較検討しながら年代、形状や作成技法、ユーザーの実態等について検討を加えた。本稿では、浪速区敷津東で出土した50点を超えるバイゴマや、難波宮・大坂城跡で出土したバイゴマ製造に係わる廃材など、新たに発見された資料をもとに、独楽の素材となるバイの選別基準や切断方法といった製造過程、製造業者の業態などについて検討した。その結果、大きさによって素材の選別が行われており、殻口側から連続して打ち欠くことで殻を切断したと考えられること、またバイゴマの製造業者が貝ボタンの製造を兼業していた可能性があることなどが明らかとなった。

言及状況

外部データベース (DOI)

レファレンス協同データベース (1 libraries, 1 posts)

大阪のベーゴマ(バイ)生産の[1]明治期~昭和の歴史、[2]その製造会社(工場)について知りたい。

収集済み URL リスト