著者
伊藤 拓
出版者
日本パーソナリティ心理学会
雑誌
パーソナリティ研究 (ISSN:13488406)
巻号頁・発行日
vol.31, no.1, pp.18-31, 2022-05-20 (Released:2022-05-20)
参考文献数
31
被引用文献数
1

本研究では,人が後悔を経験した後,適応的な変容に至るまでのプロセスを検討することを目的とした。大学生430名に対し,質問紙調査を行った。後悔の調整方略を規定する要因として「制御焦点」,後悔の調整方略として「認知的感情制御」,後悔の機能として「準備機能」に着目し,制御焦点が認知的感情制御に影響を与え,認知的感情制御が後悔を介して準備機能に影響を与えるというモデルを検討した。結果から,後悔の準備機能に至るいくつかのプロセスの存在が示唆された。例えば,促進焦点によって促された「肯定的再評価」が,後悔を低減するとともに,準備機能を促進するというプロセスや,予防焦点によって促進された幾つかの不適応的方略が,後悔を増大し,後悔が準備機能を促進するというプロセスなどが存在するようであった。また,不適応的方略の中でも促進焦点と結びつくものや,適応的方略の中でも,予防焦点と結びつき,後悔を増大するものの存在も示唆された。

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J-STAGE Articles - 後悔経験から適応に至るプロセスの個人差に関する検討――制御焦点と認知的感情制御に着目して https://t.co/i31WAXBXM8

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