- 著者
-
大久保 圭介
- 出版者
- 日本パーソナリティ心理学会
- 雑誌
- パーソナリティ研究 (ISSN:13488406)
- 巻号頁・発行日
- pp.27.1.14, (Released:2018-05-18)
- 参考文献数
- 26
本研究の目的は恋愛関係における自分磨き(self-improvement)に対する相互影響性を検討することである。アタッチメント理論に依拠して,恋愛関係にある参加者に対して,アタッチメントとケアギビングの傾向を測定し,Actor Partner Interdependence Model (APIM)の枠組みで分析を行った。結果より,アタッチメント回避が自身の自分磨きの成果に与える影響に加え,アタッチメントとケアギビングが相手の自分磨きの成果に与える影響がいくつか示された。さらに,女性の自分磨きの成果に対しては,女性のアタッチメント回避と男性のケアギビング過活性の交互作用効果も示された。したがって,恋愛関係においては,自分磨きの成果は男女のアタッチメントとケアギビングの相互的な影響によって規定されると考えられる。