- 著者
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高田 俊二
- 出版者
- 社団法人 日本写真学会
- 雑誌
- 日本写真学会誌 (ISSN:03695662)
- 巻号頁・発行日
- vol.79, no.1, pp.76-86, 2016 (Released:2017-03-22)
- 参考文献数
- 23
「写真のその場可視化」 はポラロイド社の第二の創業の課題であった.その課題は1972年発売されたモノシートカラー写真SX-70によって,カメラのサイズを除き完成の域に近づいた.しかし創設者Landの引退に伴い,ポラロイド社の方針は大衆化のための廉価版路線に変更され,インスタント写真の輝きは褪めていった.その競合だった一般写真は,小型の全自動カメラ・高感度カラーフィルム・ミニラボ短時間仕上げによって,その魅力を増していった.一方,電子カメラは1981年のマビカ発表以来足踏みを続けていたが,1995年発売されたカシオQV-10が民生品として普及の先駆けとなった.そしてランドの描いた夢は液晶ディスプレー付のデジタルカメラで実現されていく.