著者
大石 恭史
出版者
社団法人 日本写真学会
雑誌
日本写真学会誌 (ISSN:03695662)
巻号頁・発行日
vol.71, no.6, pp.410-424, 2008-12-25 (Released:2011-01-04)
参考文献数
49

1970年代以降に, それまでにKodak社によって築かれた技術基盤の上に, 富士フイルム, コニカ, Agfa-Gevaertなどの感材メーカーが夫々独自に開発した新カップラーを携えて技術革新に参入した. 世界の主要感材メーカーは競合しつつも全技術水準の向上によってカラー写真材料事業の成長維持に協力したのであった. カップラーの主要な技術革新の一つに, 新規の骨格分子構造の導入があった. これによって, 鮮やかな色再現, 画像の長期保存, 感材設計の合理化が実現した. 典型的な新骨格には, マゼソタのpyrazolotriazole, シアソのpyrrotriazoleの新型の反応性縮ヘテロ環と, イエローの置換基としてdioxothiadiazine環があった. これら新世代カップラーの発明は, ヘテロ環化学の適用によるところ大きく, 多くの研究者の長期にわたる組織的協力から産み出された.

言及状況

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「カラー銀塩感光材料の技術革新史第2部発色現像 (その4) 1970年代以降のカップラーの高度化」 うおお面白い……ムズい…… https://t.co/lGPxPo5rEk

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