著者
瀧澤 快至 江連 亜弥
出版者
公益社団法人 埼玉県理学療法士会
雑誌
理学療法 - 臨床・研究・教育 (ISSN:1880893X)
巻号頁・発行日
vol.25, no.1, pp.107-110, 2018 (Released:2018-04-03)
参考文献数
4

【はじめに】近年,大腿骨近位部骨折は年間15万人以上に達していると推定され,急性期病院から在宅復帰を果たす方も多いが,痛みや関節可動域制限が残存し活動と参加を制限されているケースも少なくない。慢性疼痛残存症例に対する約1ヶ月半の理学療法介入での臨床推論を報告する。【症例紹介】左大腿骨頸部骨折受傷(人工骨頭置換術)から,約1年経過した60歳代の女性であり,特徴として左立脚中期(以下,MSt)で左股関節近位前内側部に痛みの訴えが強く体幹左側屈及び左股関節外転代償が著明であった。本人Hopeは「痛みなく生活したい。杖なしで元の様に歩きたい」であった。【方法】平成28年7月5日~同年8月20日の期間で理学療法士による20分間の個別リハビリを週3回の頻度で行った。【結果】左MStでの疼痛は消失し,体幹左側屈及び左股関節外転代償に改善が認められた。【考察】本症例においては「慢性疼痛」と「誤学習」が臨床推論していくうえで重要であったと考えた。

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