著者
奥田 裕 荻野 禎子 小澤 佑介 原田 慎一 江連 亜弥 内山 靖
出版者
理学療法科学学会
雑誌
理学療法科学 (ISSN:13411667)
巻号頁・発行日
vol.21, no.4, pp.357-362, 2006 (Released:2007-01-11)
参考文献数
22
被引用文献数
20 12

臨床的体幹機能検査(FACT: Functional Assessment for Control of Trunk)を開発し,信頼性を明らかにすることを目的とした。FACTは体幹にかかわるパフォーマンスの可否を判定するもので,10項目20点満点で構成されている。脳卒中者23例を対象として,理学療法士5名でペアを作り,別々にFACTを実施した。検者間信頼性について,合計点では級内相関係数(2,1),項目毎の合致率は%と κ係数を用いて検討した。内的整合性はクロンバックの α係数を用いた。合計点は検者間で高い信頼性を認めた(ICC(2,1)=0.96)。項目毎では87~100%の一致率が示され, κ係数は0.62~1で臨床導入が可能な信頼性を有することが示された。また,クロンバックの αは0.81であった。FACTは体幹機能をパフォーマンスによる得点尺度で捉えることができ,治療指向的な検査法の一つとして臨床,研究両分野での適用が期待される。
著者
奥田 裕 荻野 禎子 小澤 佑介 原田 慎一 江連 亜弥 内山 靖
出版者
理学療法科学学会
雑誌
理学療法科学 (ISSN:13411667)
巻号頁・発行日
vol.21, no.4, pp.357-362, 2006-11-20
参考文献数
22
被引用文献数
4 12

臨床的体幹機能検査(FACT: Functional Assessment for Control of Trunk)を開発し,信頼性を明らかにすることを目的とした。FACTは体幹にかかわるパフォーマンスの可否を判定するもので,10項目20点満点で構成されている。脳卒中者23例を対象として,理学療法士5名でペアを作り,別々にFACTを実施した。検者間信頼性について,合計点では級内相関係数(2,1),項目毎の合致率は%と &kappa;係数を用いて検討した。内的整合性はクロンバックの &alpha;係数を用いた。合計点は検者間で高い信頼性を認めた(ICC(2,1)=0.96)。項目毎では87~100%の一致率が示され, &kappa;係数は0.62~1で臨床導入が可能な信頼性を有することが示された。また,クロンバックの &alpha;は0.81であった。FACTは体幹機能をパフォーマンスによる得点尺度で捉えることができ,治療指向的な検査法の一つとして臨床,研究両分野での適用が期待される。<br>
著者
江連 亜弥 原田 慎一 小澤 佑介 荻野 禎子 奥田 裕 内山 靖
出版者
理学療法科学学会
雑誌
理学療法科学 (ISSN:13411667)
巻号頁・発行日
vol.25, no.1, pp.147-150, 2010 (Released:2010-03-26)
参考文献数
18
被引用文献数
12 6

〔目的〕本研究は,脳卒中片麻痺者の体幹機能と日常生活活動との関係を明らかにすることを目的とした。また麻痺側機能との関係,FIMの運動項目,認知項目との比較,病巣別による体幹機能の違いも検討した。〔対象〕回復期脳卒中片麻痺者56名(平均年齢66.3±10.7歳)とした。〔方法〕体幹機能は臨床的体幹機能検査(Functional Assessment for Control of Trunk,以下FACT)を,ADLはFIMを,麻痺側機能はBrunnstrom recovery stageを用いて評価した。〔結果〕FACTとFIM合計は非常に高い相関が得られた。FIMの認知項目では体幹のみ高い相関が得られた。病巣別では中大脳動脈起始部,被殻,視床の病巣部位を比較したが,視床は体幹との相関がみられなかった。〔結語〕脳卒中片麻痺者のADLには麻痺側機能よりも体幹機能との関係が強いこと,認知機能とも関係があること,病巣により体幹機能が異なることが示唆された。
著者
瀧澤 快至 江連 亜弥
出版者
公益社団法人 埼玉県理学療法士会
雑誌
理学療法 - 臨床・研究・教育 (ISSN:1880893X)
巻号頁・発行日
vol.25, no.1, pp.107-110, 2018 (Released:2018-04-03)
参考文献数
4

【はじめに】近年,大腿骨近位部骨折は年間15万人以上に達していると推定され,急性期病院から在宅復帰を果たす方も多いが,痛みや関節可動域制限が残存し活動と参加を制限されているケースも少なくない。慢性疼痛残存症例に対する約1ヶ月半の理学療法介入での臨床推論を報告する。【症例紹介】左大腿骨頸部骨折受傷(人工骨頭置換術)から,約1年経過した60歳代の女性であり,特徴として左立脚中期(以下,MSt)で左股関節近位前内側部に痛みの訴えが強く体幹左側屈及び左股関節外転代償が著明であった。本人Hopeは「痛みなく生活したい。杖なしで元の様に歩きたい」であった。【方法】平成28年7月5日~同年8月20日の期間で理学療法士による20分間の個別リハビリを週3回の頻度で行った。【結果】左MStでの疼痛は消失し,体幹左側屈及び左股関節外転代償に改善が認められた。【考察】本症例においては「慢性疼痛」と「誤学習」が臨床推論していくうえで重要であったと考えた。
著者
小林 由紀子 江連 亜弥 小澤 真美子
出版者
公益社団法人 埼玉県理学療法士会
雑誌
理学療法 - 臨床・研究・教育 (ISSN:1880893X)
巻号頁・発行日
vol.23, no.1, pp.86-88, 2016

リハビリテーション部署の産前産後休業および育児休業(以下,産休育休)の取得状況を検証するため,医療法人敬愛会リハビリテーション部における産休育休の取得状況と妊産婦がかかえる問題について検証した。方法は,医療法人敬愛会リハビリテーション部の職員を対象に,過去10年間の職員総数,男女比,経験年数,離職者数,産休育休取得者数等を調査した。また,産休育休取得者には,産休取得時の経験年数,産休育休の期間についてアンケートを実施した。結果は,職場の動向について,離職率は近年横ばいとなり,療法士の経験年数は中堅層以上が若手層を上回っていた。産休育休取得者は増加傾向が認められた。アンケート結果では,産前休暇は,約3割が体調不良により早めに取得した。育休復帰時期は,半数近くが予定より早く復帰した。産休育休取得者に増加傾向が認められたのは,職場が安定し中長期的な人生設計が立てやすくなったことや,子育て世帯によるロールモデルの蓄積などとの関連性が推察された。育休終了時期に関しては,保育所不足の問題が大きく関与していた。<br>