著者
秋山 浩一
出版者
日本信頼性学会
雑誌
日本信頼性学会誌 信頼性 (ISSN:09192697)
巻号頁・発行日
vol.38, no.2, pp.86-93, 2016-03-01 (Released:2018-01-31)

本稿では,日本の企業の現場において"ソフトウェアテストに対する取り組み"がどのように行われているか,筆者のコンサルティング活動を通じて得た事実を述べる.一般にソフトウェアテスト(以降,特に断らない限り「テスト」は「ソフトウェアテスト」を指すものとする)は,ソフトウェア開発の最終工程に位置する.テストの第1の目的は,商品やサービスのリリース後の市場不具合を事前に見つけることで品質コストにおける外部失敗コストを内部失敗コストに変え,トータルの品質コストを下げて適正化することにある.商品にもよるが不具合1件当たりの外部失敗コストは内部失敗コストの10倍程度かかることが知られている.筆者のコンサルティング先の企業においてもテストで不具合が見つかるうちはテストを続け,評価コストを費やしてでも外部失敗コストを内部失敗コストに変えるほうが"トータルの品質コストを低く抑えられる"ことが確認されている.このようにソフトウェア開発における品質コストの適正化手段のひとつとしてテストは現実的な解であり今も重要な活動である.しかしながらテストで使用している技術は,ここ30年ほとんど変化はなくテストに対する専門的教育も実施されず,現場のテストエンジニアの経験と勘に依存している状況にある.本稿では,世の中の変化によって変わってきたテストの現場が直面している課題と変化について報告する.

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