著者
宮津 寿美香
出版者
一般社団法人 日本保育学会
雑誌
保育学研究 (ISSN:13409808)
巻号頁・発行日
vol.56, no.2, pp.30-38, 2018 (Released:2018-10-31)
参考文献数
31

本研究は指さし行動を獲得して間もない0歳後期から1歳前期の子どもの指さし行動に注目をした。対象児は0歳代の9名(男児5名,女児4名)である。指さし行動には,コミュニケーション機能が付随していることが特徴であるが,対象児の行う指さし行動には「自分自身のために行う」ような「ひとりごと」のような指さし行動がみられ,そのような指さし行動を本研究では「一人指さし行動」と定義した。分析には,大きく以下の3つの視点から検討をした。「指さし行動と日齢との関係」,「指さし行動と身体の発達との関係」,「指さし行動と言語発達との関係」である。その結果,対象児の日齢,身体発達,言語発達により,「一人指さし行動」とコミュニケーション機能をもつ「伝達的指さし」の頻度に違いがみられた。また,「一人指さし行動」を質の違いから4カテゴリーに分類したところ(ア.状態,イ.目的,ウ.理解/命名,エ.その他),1歳半頃までは,自分の目的や欲求物について指さす「イ.目的」の割合が高かったが,それ以降では,人の動きや状態を指さす「ア.状態」の割合が高くなることがわかった。

言及状況

外部データベース (DOI)

Twitter (1 users, 1 posts, 0 favorites)

調べものしていたら、たまたまなんだけど、指差しの発達についての論文を見つけた。他者に向けた指差しとそうではない指差しの使用回数を調べた研究で、発達と対人相互性の観点からもとても面白い論文だった。 https://t.co/jg3TKvXEoo

収集済み URL リスト