著者
大橋 麻美 増岡 泰三 星野 守利
出版者
一般社団法人日本理学療法学会連合
雑誌
理学療法学 (ISSN:02893770)
巻号頁・発行日
vol.27, no.2, pp.34-37, 2000-03-31 (Released:2018-09-25)
参考文献数
11

脳卒中片麻痺患者の杖歩行パターンには,二動作杖歩行と三動作杖歩行がある。今回,各杖歩行パターン間における機能差違を脳卒中片麻痺患者24名(二動作杖歩行12名・三動作杖歩行12名)を対象にし,麻痺側運動機能(上下肢,体幹),非麻痺側下肢筋力,立位バランス(静的,動的),片足立位保持,歩行能力の検査項目から比較検討をおこなった。その結果,麻痺側運動機能(下肢,体幹),立位バランス(静的,動的),麻痺側片足立位保持,歩行能力に有意差が認められた。今回の比較において二動作杖歩行群が三動作杖歩行群を上回っていた機能は,①麻痺側下肢,体幹機能が高い,②静的立位の重心動揺が少なく,常に一定の範囲に保たれている,③動的立位の左右方向への重心移動距離が大きくなる,④麻痺側下肢の支持性が高い,の4点であった。

言及状況

外部データベース (DOI)

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2動作歩行が実用的であることは無論、3動作歩行は安定性が高いため、臨床では重症者(麻痺やバランス機能諸々)に多く見られる。 杖歩行パターンの選択はPTや施設間でも異なる。特に両者は歩行速度が異なるためQOLにも大きく影響を及ぼす可能性があり、選択には注意を要する。 https://t.co/go2y0AZT78

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