著者
佐々木 誠
出版者
日本理学療法士学会
雑誌
理学療法学 (ISSN:02893770)
巻号頁・発行日
vol.29, no.5, pp.160-163, 2002-08-20 (Released:2018-09-25)
参考文献数
8
被引用文献数
3

従来の立位重心動揺測定は膝関節伸展位で行われており,膝関節屈伸運動を伴う立位での動作や移動を直接には反映していない。そこで,膝関節屈伸運動時の足圧の作用中心点(以下,COP)を特定するために,若年健常者27名を対象に,スクワット動作時のCOPのフォースプレートによる測定再現性と特性について検討した。級内相関係数(ICC1,1)は,総軌跡長(LNG)とY(前後)方向最大振幅(YD)で0.6を上回り,X(左右)方向最大振幅(XD),矩形面積(REC AREA),X(左右)方向動揺平均中心変位(DEV OF MX)で0.6を下回った。従来の重心動揺測定のパラメータとの関連を検討した結果,静止立位条件と相関のあるパラメータがあったが,関連性は必ずしも強くはなかった。また,スクワット動作時のLNGとCross TestのREC AREAとの間に示された関連は弱かった。以上より,健常者におけるスクワット動作時のCOPは,LNGと前後成分で再現性が示される一方で,左右成分およびREC AREAで冗長性が示され,静止立位での側方不安定性に起因する動揺性を反映するが,その関連性は必ずしも強くはなかった。従来の測定でのパラメータとの間に相関を認めなかったパラメータが多かったことからも,本COP測定によって新たな情報が提供される可能性が示唆された。

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@kansetsuwaza38 疑問に答えられてるかは分かりませんが、こういった報告がありますね。https://t.co/pgSz66gdff https://t.co/7rV8SZY3H4

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