著者
西村 明
出版者
日本宗教学会
雑誌
宗教研究 (ISSN:03873293)
巻号頁・発行日
vol.95, no.2, pp.53-74, 2021-09-30 (Released:2021-12-30)

本稿は、近代の衛生政策に大きな影響を与えたコレラについて、明治一〇年代の流行に焦点を当てて取り上げる。まず、幕末以降の流行と人々の宗教的・民俗的対応を概観した上で、一八七九年のコレラ流行以降に焦点を当てる理由を述べる。とりわけ、内務省によって教導職がコレラ予防の啓発活動に動員されたことに注目している。後半では、それに関連するテクストとして、『虎列刺豫防諭解』、『コレラ豫防心得草』、岸上恢嶺『説教帷中策』第三五席、干河岸貫一「虎列刺病豫防並に消毒法に注意すべき事」について検討する。それらの検討から、神仏の加護を全面否定しないかたちで、政府の方針に沿った衛生の徹底に向けた自助努力を促す言説の特徴を確認した。

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「流行(はやり)正月」「歳改(としかえ)」 https://t.co/Xva0HVtPXO https://t.co/mwzajf9Eur
@JPNatArchives コレラと教導職については西村明先生の論文があります。 https://t.co/jbvgTW26C4
@Cocco_secret 専門外なので少し調べたのですが… https://t.co/ExCkMUGvHe 57〜59に幕末のコレラ対策が幾つか https://t.co/JRNyUDucjN 16〜18にペスト対策(特に17に心理的な方法論) ただ、イメージされてる舞台背景に合っているか微妙な印象ですね…

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