著者
林 紘一郎
出版者
安全工学会
雑誌
安全工学 (ISSN:05704480)
巻号頁・発行日
vol.54, no.6, pp.479-485, 2015-12-15 (Released:2016-07-01)
参考文献数
9

情報セキュリティは,技術問題だという見方が多い.確かに現在のインターネット技術が攻撃と防御の非対称を生み出すなど,問題を起こすのも解決するのも,技術が中心であることは否定できない.しかし実は,事件や事故の大部分は過失によるのもので,人間的要素の分析も欠かせない.またセキュリティ・ポリシーは,当該組織を取り巻く環境を反映して決められるし,サイバー攻撃は国際政治の文脈なしでは理解できないので,技術以外の要素の分析が必須の分野もある.本稿では心理学に代表される人文科学的な部分は北野論文に譲り,経済・経営・法律(政治を含む)の諸科学(社会科学)がセキュリティとどう取り組んでいるか,取り組むべきかを論ずる.加えて,理系的な学問と人文・社会科学的な学問が,どの程度の比重を占めるべきかの経験則を紹介する.

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はんこの文化がなくならないのは、社会学的に信用されてないからだと思うから、そのへんを勉強してみよう。 情報セキュリティの社会科学的側面 https://t.co/1yJJKCLZC5

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