著者
桑原 晴子
出版者
日本箱庭療法学会
雑誌
箱庭療法学研究 (ISSN:09163662)
巻号頁・発行日
vol.27, no.3, pp.3-15, 2015 (Released:2016-02-08)
参考文献数
15

本論文は,緘黙傾向の不登校中学生女子の箱庭療法過程を提示し,場面緘黙の箱庭療法においてどのように身体的側面が意義をもつのかを検討することを目的とする。箱庭のイメージ内容の変化,箱庭制作時のリズムという身体的側面,そして箱庭療法のプロセスで生成する身体症状の3側面に意味深い連関が見られた。イメージ内容では,砂あるいは世界を水で分割し同時につなげることが繰り返された。また箱庭を制作する際に多様なリズムが生まれ,そのリズムを生み出すことが主体の感覚の生成につながったと思われる。また面接の転機に身体症状が生じたが,これらの身体症状をイメージとして捉えることが重要だと考えられる。そしてJungによる共時性の視座がこれらの相互連関するプロセスを理解し,その自律的展開を見守るうえで意義があることについて考察を行った。

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桑原晴子(2014). 場面緘黙傾向の不登校中学生女子の箱庭療法過程 リズムと身体症状に着目して 箱庭療法学研究 27, 3-15. https://t.co/pP10qPZ5Hi

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