著者
倉橋 隆
出版者
The Society of Cosmetic Chemists of Japan
雑誌
日本化粧品技術者会誌 (ISSN:03875253)
巻号頁・発行日
vol.32, no.3, pp.240-246, 1998-09-20 (Released:2010-08-06)
参考文献数
22

われわれの香り感覚は鼻腔内の嗅細胞繊毛膜において始まる。この情報変換の分子機構はGタンパク介在性の二次メッセンジャー系によって仲介され, 最終的には細胞膜の陽イオンチャネルを開口し, 一価陽イオンや二価陽イオンを細胞内に流入させることによって, 化学信号を電気的信号 (生体信号) に変換する。陽イオンチャネルを通るCaはさらに二つの重要な役割を果たすことになる。一つは, 細胞内からClチャネルを開口することで, イオン環境が変化した場合にもイオン電流を恒常的に保つ役割をもつ。また, cAMP感受性イオンチャネルに対してフィードバックをかけることによって, 細胞の順応を引き起こす。これとは別に, においマスキングはにおい物質そのものによってイオンチャネルが閉じてしまうことが原因らしい。

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