著者
山本 眞理子
出版者
The Society of Cosmetic Chemists of Japan
雑誌
日本化粧品技術者会誌 (ISSN:03875253)
巻号頁・発行日
vol.34, no.4, pp.351-358, 2000-12-20 (Released:2010-08-06)
参考文献数
14

本総説は, 顔の印象を中心として外見が自己および他者に与える影響について, 筆者の研究を中心としながら, これまでの研究を概観したものである。まず, 印象を変化させるための外見の操作の問題を取りあげ, 同じ外見でも印象を変化させにくい側面とさせやすい側面とがあること, また, その操作可能性の高さによって変化させられる印象の内容に違いがあることが指摘された。ついで, 外見の情報が他者に関する情報処理の, 特に初期の段階に大きな影響をおよぼしていること, また, その影響の背後には, 外見のステレオタイプの存在があることが指摘されている。さらに, 外見の特徴により自他の行動がどのように影響されるのかその特徴が述べられている。最後に, 外見を通して自己の印象を管理するプロセスと, 自己の印象の管理に敏感な人とそうでない人との間に存在する個人差が議論された。
著者
正木 仁 岡野 由利 藤井 政志 渥美 隆正 左近 健一 鈴木 一成 手塚 正
出版者
The Society of Cosmetic Chemists of Japan
雑誌
日本化粧品技術者会誌 (ISSN:03875253)
巻号頁・発行日
vol.21, no.2, pp.139-145, 1987-09-30 (Released:2010-08-06)
参考文献数
2

In considering the effect of cosmetics, the moisturizing effect on the skin is most important.This consists of two components, one being the occlusivity which suppress water evaporation, and the other is water holding capacity. A new method for measuring the water evaporation rate (WER) has been developed by us. The present study was carried out in order to clarify the following: 1) The relationship between WER through the skin and skin condition. 2) The factors which determine occlusivity. In conclusion, it was recognized that the morphology of the skin surface become fine with decreasing WER and it was clarified that occlusivity could be explained in terms of lnorganic organic balance (10B), visvosity and water holding capacity.
著者
金田 泰雄 村松 宜江 高橋 きよみ
出版者
The Society of Cosmetic Chemists of Japan
雑誌
日本化粧品技術者会誌 (ISSN:03875253)
巻号頁・発行日
vol.26, no.4, pp.280-288, 1993-03-22 (Released:2010-08-06)
参考文献数
2
被引用文献数
1

Many Japanese women are concerned about the darkness of their skin. However, the treatment for skin darkness have not, until now, been thoroughly tackled because of vagueness of skin darkness.Our study is aimed at clarifying skin darkness.Firstly, a questionnaire on the awareness of skin darkess was conducted on 975 Japanese women to determine the average consumers interpretation of “darkness”. Secondly, evaluations on “subjective” and “objective” darkness in female faces were simultaneously conducted on 167 women with the aim of grasping the relation between subjective and objective darkness in the same person. Finally, components of “objective darkness” were examined, and the following information was obtained.The awareness of skin darkness among Japanese women can be expressed by two factors: a “blackish” factor, and a “drooping” factor, associated with morphological elements.The evaluation of darkness requires the specification of facial sites because degrees of agreement between subjective “darkness consciousness” and objective “darkness impression” are different according to the sites.Components of darkness impression are color tone and morphology. A moderately deteriorated morphology in particular was assumed to have influence on the darkness impression similar to the color tone.
著者
酒井 裕二
出版者
The Society of Cosmetic Chemists of Japan
雑誌
日本化粧品技術者会誌 (ISSN:03875253)
巻号頁・発行日
vol.33, no.2, pp.109-118, 1999-06-20 (Released:2010-08-06)
参考文献数
38

われわれは洗顏により, 余分な皮脂や過酸化脂質, さらには肌上に吸着した空気中のほこり等を取り除くことで, 肌を清潔に保つことができる。洗顏料を開発するうえで考慮すべき要素として, 機能性, 皮膚安全性, 使用法の3点があげられる。これら3要素はおのおの密接に関係しており, どれか一つ欠けても洗顏料として満足する品質は得られない。またこの3要素に最も影響を与えるのが, 洗浄機能主剤の界面活性剤である。すなわち, この界面活性剤の特性を把握しつつ, 各要素をバランスよく高質化することこそ, 肌に理想的な洗顏料開発を可能にする。今回は, この3要素を中心にこれまで検討してきた研究を報告し, 理想的な洗顏料のあるべき姿について考察した。
著者
船坂 陽子
出版者
The Society of Cosmetic Chemists of Japan
雑誌
日本化粧品技術者会誌 (ISSN:03875253)
巻号頁・発行日
vol.42, no.1, pp.2-6, 2008-03-20 (Released:2010-08-06)
参考文献数
37

太陽光への曝露により皮膚細胞に損傷が蓄積した結果, 光老化が生じる。光老化の症状のうち, 特にシミおよびシワに対して美容治療が求められる。ケミカルピーリング, イオン導入, レーザー光線等の光老化に対する治療については, すでに国内外から多く報告されている。しかし, どの程度の治療効果がもたらされるのかという点について, 特にその作用機序から考察した研究論文が発表され始めたのは, 1990年代後半からである。治療の作用機序の解明が進むと, 一方で光老化の病態解明につながることが期待できる。本稿では, 特にケミカルピーリングと光線治療により発生する熱の皮膚細胞に対する知見について概説する。
著者
舛田 勇二 高橋 元次 佐藤 敦子 矢内 基弘 山下 豊信 飯倉 登美雄 落合 信彦 小川 克基 佐山 和彦
出版者
The Society of Cosmetic Chemists of Japan
雑誌
日本化粧品技術者会誌 (ISSN:03875253)
巻号頁・発行日
vol.38, no.3, pp.202-210, 2004-09-20 (Released:2010-08-06)
参考文献数
3
被引用文献数
5 5

美容上問題となる「目の下のくま」の発生要因として, 一般的に血流の停滞が言われているが, 実際にくまと血流の関係について調査した報告は少なく, また, くまについて皮膚生理学的に論じた報告もほとんどない。そこで本研究では, 非侵襲的な方法を用いくまを皮膚科学的に解析し, その要因を明らかにするとともに, その対応を考え, 「目の下のくま」改善効果の高い商品の開発を行った。くまの発生要因を明らかにするために, くまのある女性とない女性を対象に, 眼下部の皮膚メラニン量, ヘモグロビン量およびヘモグロビン酸素飽和度, 血流速度の計測を実施した。くまのある女性の眼下部では, ヘモグロビン量の増加およびヘモグロビン酸素飽和度の減少が観察された。くま部位では頬と比較して血流速度の低下が見られたことから, 上記結果は血流の停滞により引き起こされたと考えられる。またメラニン量の増加も同時に観測され, その傾向は高年齢層でより顕著であった。以上の結果から, くま部位の明度低下は, 血流速度の低下による皮膚毛細血管内の還元ヘモグロビンの増加と, 皮膚メラニン量の増加によるものと考えられた。以上の検討をもとに, くま発生の主要因である「鬱血」および「色素沈着」, くまを目立たせる小じわ, キメの悪化の各々に対処した「血行促進剤」「美白剤」「保湿剤」配合プロトタイプ製剤を処方し, 3週間の連用効果試験を実施した。その結果, 美容技術者による目視評価, 被験者のアンケートにおいてプロトタイプ製剤の, 高いくま改善効果が確認された。また, 機器測定によってもヘモグロビン酸素飽和度の上昇とメラニン量の低下が確認され, 「くま」の改善に本処方は効果的であることが示された。
著者
小西 奈津子
出版者
The Society of Cosmetic Chemists of Japan
雑誌
日本化粧品技術者会誌 (ISSN:03875253)
巻号頁・発行日
vol.42, no.2, pp.89-93, 2008-06-20 (Released:2010-08-06)
参考文献数
4

最近, 美容雑誌・女性誌の影響もあってか, 世の女性の毛穴に対する美意識が高まってきているように感じる。実際に, 外来でも毛穴をなんとか改善したいという患者が少しずつだが増えてきている。このような毛穴の開きを主訴に来院される患者に対し, 女性外来ではまずは正しいスキンケアの指導を行っている。間違ったスキンケアを行っている患者は多く, 特に10代の患者はその傾向が強い。正しいスキンケアを指導するのみでかなり改善するケースも珍しくない。そして必要に応じてレーザーや光治療などといった治療を行っている。レーザーと一言でいっても様々なものが存在するが, 当院で扱っているのは波長1450nmのダイオードレーザー (Smoothbeam) である。SmoothbeamのFDAでの適応疾患には, 尋常性〓瘡, 〓瘡瘢痕, シワがあるが, 毛穴治療にも有効である。また光治療としてはLumenis oneを導入している。Lumenis oneは波長域が500-1200nmと広く, 色素性病変 (肝斑を除く), シワ, たるみ, 赤ら顔, 開大毛孔などといった光老化の皮膚諸症状に有効である。今回はこれら治療機器を用いた女性外来での毛穴治療法について紹介する。
著者
芳賀 理佳 鈴木 幸一 松川 浩 田中 結子 一ノ瀬 昇 竹中 玄 藤田 早苗
出版者
The Society of Cosmetic Chemists of Japan
雑誌
日本化粧品技術者会誌 (ISSN:03875253)
巻号頁・発行日
vol.44, no.4, pp.285-291, 2010

香水やオーデコロンなどの香り製品は,身だしなみや香りを楽しむために使用するほか,異性から魅力的に思われたいといった理由からも使用されていると思われる。われわれは,「男性の魅力を香りで向上させることができるのか」を研究目的に,男性の印象を形成する一つの要素である声に着目し,男性の声の印象度試験を行った。試験には声に関するパラメーターを単純化するため,男性1人の声から機械的に基本周波数のみを変化させた高さの異なる6種の声を用いて女性被験者に評価させた。まず,香りを漂わせない状態で印象度試験を行ったところ,男性の声の高さの違いにより女性が感じる声の好みや印象が異なることがわかった。次に,試験に用いる香料を調整した。文献や伝承をもとに心理的な作用があるとされている香料成分34種から,専門パネルが官能評価により男性のポジティブなイメージに合致する香料成分を6種類選定した。その中で高揚感・魅力的なイメージが大きいL─ムスコンに着目して男性の声の印象度試験を行ったところ,L─ムスコンの提示の有無で男性の声の印象が変化した。そこでさらに,6種類の香料成分の中からL─ムスコンを含む1種以上の香料成分を含有する男性向けボディケア製品の香りを3種類創作した。この3種類の香りの中から男女ともに嗜好性が高く,香りのイメージが湧きやすいフローラル・スウィート調とシトラス・ムスク調の香りを試験用香料と選定した。選定した香料を用いて男性の声の印象度試験を行った結果,低い声 (基本周波数が120Hzより低い声) に対してはフローラル・スウィート調の香りに,高い声 (基本周波数が120Hzより高い声) に対してはシトラス・ムスク調の香りに,男性の声の爽やかさを向上させる効果が観測された。さらに,試験後の女性被験者の気分状態は,香りを漂わせなかった場合と比較して香りを漂わせた場合に,イライラする感じ,ほっとする感じ,イキイキする感じ,わくわくする感じが有意に改善された。
著者
飯田 悟 一ノ瀬 昇 五味 哲夫 染矢 慶太 平野 幸治 小倉 実治 山崎 定彦 櫻井 和俊
出版者
The Society of Cosmetic Chemists of Japan
雑誌
日本化粧品技術者会誌 (ISSN:03875253)
巻号頁・発行日
vol.37, no.3, pp.195-201, 2003-09-20 (Released:2010-08-06)
参考文献数
6
被引用文献数
5 5

人々の清潔志向を背景に, 腋臭を中心とした体臭のデオドラントニーズは年々高まっている。われわれは, 官能評価および機器分析を用いてヒトの腋臭について研究した結果, 新たな臭気原因成分としてビニルケトン類 (1-octen-3-one, cis-1,5-octadien-3-one) を発見した。これらビニルケトン類のにおい閾値は非常に低く強烈な金属臭を有し, 腋臭に大きく寄与していることが示唆された。これら臭気は, 人体代謝物中の不飽和脂肪酸と鉄が接触して生成する酸化物であることをモデル実験によりつきとめ, におい発生のメカニズムを解明した。また, 植物抽出エキスの抗酸化作用により, ビニルケトン類の生成を抑制する方法をin vitro系にて検討し, 『クワエキス』に優れた生成抑制効果を見出した。
著者
矢部 信良 百瀬 重禎
出版者
The Society of Cosmetic Chemists of Japan
雑誌
日本化粧品技術者会誌 (ISSN:03875253)
巻号頁・発行日
vol.32, no.4, pp.372-378, 1998-12-20 (Released:2010-08-06)
参考文献数
12
被引用文献数
39 39

酸化セリウムを利用した新しい紫外線遮断剤を合成した。不定形シリカによりコーティングすることにより, 酸化セリウムの高い紫外線遮断効果を保ったまま触媒活性を低下させることに成功し, 種々の化粧品剤型への応用が可能となった。水溶液中で水酸化セリウムと珪酸ナトリウムから合成した粒子は, 酸化セリウムと不定形シリカの割合が7:3の場合に紫外線遮断能と, 触媒活性の低さの面から最も化粧品素材として有用性が高かった。この1次粒子は平均で, 長径が50nm, 短径が6nmの針状微粒子であった。化粧品製剤への応用についての検討を行った結果, 高いSPFを与える配合量においても, 肌上に使用した場合の高い透明性と, とくにメーキャップ製品の外観色に与える影響を最小限に抑えることができることを確認できた。
著者
星屋 博子 山本 泰之 藤井 政志
出版者
The Society of Cosmetic Chemists of Japan
雑誌
日本化粧品技術者会誌 (ISSN:03875253)
巻号頁・発行日
vol.24, no.3, pp.193-201, 1991-03-30 (Released:2010-08-06)
被引用文献数
1

The structure of eye and lashes is individual variations. Our evaluation and taste for mascara are greatly affected by that structure. It's necessary to make the system of conformity with individual eye and lashes, for the good choice of mascara.First of all, we checked up the structure of eye and lashes, such as the number, length and direction of eyelashes, the width of eye and so on. Next, we investigated the influence in sensory evaluation and taste for mascara caused by difference of structure. Lastly, we tried to correspond to different types of mascara.The result was that there are individual variations in the length and number of eyelashes rather than eye, no difference between men and women.Three major items as follows were important factors of the finishing and taste of mascara. They were “the length of eyelashes”, “the amount of eyelashes” and “the width of eye”, We could classify persons into seven groups according to these three items, who evaluated four types of mascara.In the usage test, we could select the best of four types of mascara for seven groups with different style in their eye and lashes.
著者
熊谷 広子 渡辺 弘子 神津 登志枝 野口 ひろみ 高橋 元次
出版者
The Society of Cosmetic Chemists of Japan
雑誌
日本化粧品技術者会誌 (ISSN:03875253)
巻号頁・発行日
vol.23, no.1, pp.9-21, 1989-06-25 (Released:2010-08-06)
参考文献数
6
被引用文献数
8 12

Using noninvasive measurement techniques, parameters representing skin characteristics were measured in a total of 117 Japanese females ranging in age from 3 to 65 years. The parameters measured were sebum secretion rate, transepidermal water loss, skin surface conductance, skin color, skin surface temperature, corneocyte surface area, and skin surface microtopography. Measurements were taken twice for each subject, once in the summer (July) and again in the winter (December). Polynomial regression analysis was used to quantitatively assess age-related trends associated with changes in shin parameters. Also, to evaluate the progression of the aging phenomena in adults (i.e., physiological aging), multiple regression analysis was carried out with age as the criterion variable and the above parameters as predictor variables.The results of these analyses established the following facts: Most physiological skin parameters undergo changes that can be characterized by curves which attain peak values during the third decade of life, whereas morphological parameters tend to vary linearly with age. Until the third dacade of life, the physiological functions of female skin remain in the developmental phase and are extremely prone to fluctuations. However, during the third decade, the physiological development of the skin reaches a stage of completion and becomes comparatively stable, and thereafter commences a gradual transition to senescence concomitant with chronological aging. The degree of skin aging can be estimated by a quantiative assessment of age-related physiological phenomena and a comprehensive analysis of the relevant data.
著者
阪本 興彦 藤沼 好守 尾沢 達也 桂 博二
出版者
THE SOCIETY OF COSMETIC CHEMISTS OF JAPAN
雑誌
日本化粧品技術者会会誌 (ISSN:18844138)
巻号頁・発行日
vol.12, no.1, pp.39-45, 1978-05-31 (Released:2010-08-06)
参考文献数
17
被引用文献数
1 1

Melanins are widely distributed in the animal and vegetable kingdoms, and are insoluble polymeric pigment which contributes mainly to the color of our skin and hair. In this study, various conditions of hydrolysis with hydrochloric acid were examined in details to extract melanin effectively from human hair with least modifcation. As a result, HCl-refluxing for 24 hours was found to be the most desirable method for the extraction of melanin having almost constant C/N ratio and absorption at 400nm. Various solvents were also investigated to solubilize the extracted melanin and solution of dimethyl n-undecyl n-dodecyl ammonium hydroxide in toluene (“Soluene 100”) and aqueous solution of tetramethyl ammonium hydroxide were found to satisfy the requirement. This made it possible to detrmine the melain contents in hair samples bleached in various degrees by using colorimetry.
著者
久留戸 真奈美 中村 千春 塩原 みゆき
出版者
The Society of Cosmetic Chemists of Japan
雑誌
日本化粧品技術者会誌 (ISSN:03875253)
巻号頁・発行日
vol.44, no.4, pp.298-303, 2010

昨今,若い女性たちの腕や脚に乾燥した状態が目立っているが,これはムダ毛の手入れと非常に関係が深い。本研究では,一般女性19名の腕,脚,腋の肌の状態を調査するとともに,電動脱毛器3機種とカミソリによる手入れを比較して,ムダ毛の手入れと肌への影響を調査した。この結果,手入れの前後で,TEWLが増し,安全カミソリのみならず,むしろ,肌を傷めずに脱毛できると訴求される電動脱毛器においても,肌に赤みや炎症を起こし肌荒れの原因になる可能性が示された。
著者
佐藤 真由美 森 忍 吉塚 直伸 武馬 吉則
出版者
The Society of Cosmetic Chemists of Japan
雑誌
日本化粧品技術者会誌 (ISSN:03875253)
巻号頁・発行日
vol.38, no.2, pp.125-130, 2004-06-20 (Released:2010-08-06)
参考文献数
8

女性の顔の形状に関しての美意識は高く, 形状を形づくるものとしては骨格や筋肉, 皮下脂肪が関わっていると考えられる。そこでわれわれは, MRI法 (核磁気共鳴映像法) を用いて女性の顔面における皮下脂肪を計測し, 皮下脂肪の分布と体型との関係について実態解析を行ったので報告する。健常女性38名を, 痩身体型10名・正常体型18名・肥満体型10名に分け, 頭部MRI撮影を行った。撮影条件は, 脂肪を映すのに適したT1強調で撮影した。MRI画像の顔面皮下脂肪面積は, 肥満体型, 正常体型, 痩身体型の順で多かった。さらに, 顔面45ヵ所の皮下脂肪厚を計測した結果, 頬部の鼻側は体型にかかわらず皮下脂肪量が多い部位であったが, 咬筋部と下顎骨部周辺の皮下脂肪量はBMI (Body Mass Index) が高くなるに伴い増大した。すなわち, 体型にかかわらず皮下脂肪が存在する部位と, BMIの増加に伴い蓄積していく部位があることが示唆された。
著者
岡野 由利 岡本 存生 山村 達郎 正木 仁
出版者
The Society of Cosmetic Chemists of Japan
雑誌
日本化粧品技術者会誌 (ISSN:03875253)
巻号頁・発行日
vol.29, no.4, pp.411-416, 1996-03-15 (Released:2010-08-06)
参考文献数
5

毛髪の成長は多くの要因によって複雑に制御されている。男性型脱毛症の原因のひとつとして男性ホルモンの作用が挙げられる。男性ホルモンであるテストステロンは5α-ReductaseによってDHTに変換され, さらにDHTがレセプターに結合することによってホルモン作用を発揮する。そこで我々は80種類の植物抽出液を調整し, この中から5α-Reductase阻害作用を示す成分のスクリーニングを行った。その結果ホップ抽出液が高い阻害作用を示すことがわかった。さらに, ホップ抽出液には培養毛根由来細胞の増殖を促進する作用が認められた。この抽出液を用いてマウスを用いた育毛養毛試験を行ったところ, ミノキシジルと同等の発毛促進作用を示した。また, ヒト頭髪に用いた場合には毛髪成長速度を促進する作用があることも認められた。長期使用試験においても良好な結果が得られたことから, ホップ抽出液は有効な育毛養毛用化粧品原料であることが示された。
著者
栃尾 巧 森地 恵理子 広瀬 統 中田 悟 久世 淳子
出版者
The Society of Cosmetic Chemists of Japan
雑誌
日本化粧品技術者会誌 (ISSN:03875253)
巻号頁・発行日
vol.42, no.2, pp.121-127, 2008-06-20 (Released:2010-08-06)
参考文献数
18

近年の研究から, メイクアップは心理的な指標だけでなく生理的な指標においても精神的ストレスの緩和効果があることが示されている。本実験において, われわれは, 精神的ストレスとsuperoxide dismutase (SOD), catalase (CAT) のような活性酸素消去酵素の関係およびメイクアップによる精神的ストレス緩和効果の活性酸素消去酵素に対する影響について調べた。実験1において, 精神的ストレス負荷前後に唾液中のコルチゾール濃度とSOD活性を測定したところ, 負荷前に比べコルチゾール濃度の増加とSOD活性の低下がみられた。また, 実験2において, 精神的ストレス負荷後にメイクアップを行った実験群は, 精神的ストレス負荷前に比べ, 唾液中のコルチゾール濃度は減少傾向にあり, SOD, CAT活性は増加した。また, 心理的効果として, 状況不安の低下や精神的健康度の上昇などが示された。以上の結果から, メイクアップは精神的ストレスによる心理的不安を解消し, 活性酸素消去酵素の活性低下を抑制すると考えられた。
著者
末次 一博 白石 秀子 泉 愛子 田中 弘 芝 篤志
出版者
The Society of Cosmetic Chemists of Japan
雑誌
日本化粧品技術者会誌 (ISSN:03875253)
巻号頁・発行日
vol.28, no.1, pp.44-56, 1994-06-30 (Released:2010-08-06)
参考文献数
21
被引用文献数
2 3

A large variety of microorganisms such as Propionibacterium acnes and Staphlococcus epidermidis exist on the human skin surface, forming a skin microbial flora. This flora is likely to influence the skin surface defence and the skin surface condition. This report covers the correlation between the skin microbial flora and the skin surface condition.We found that the larger numbers of P. acnes are concerned in the worsening of skin surface condition. The skin condition closely correlated to the amount of free fatty acids on the skin, and also we found that the larger quantity of the free fatty acids leads the worsening of skin surface condition. These results suggest that the lipase of P. acnes may hydrolyze triglycerides on the skin surface into the free fatty acids which irritate the skin.On the other hand, we found that both S. epidermidis itself and the peptides produced from various proteins by S. epidermidis have high antioxidative activity. This result suggests that S. epidermidis protects the lipids on the skin from oxidation caused by e. g. ultraviolet rays.From these results we suggest that P. acnes make worse the skin surface condition, whereas S. epidermidis serves an important function of prevention of the worsening of the skin condition by harmful lipids peroxides.
著者
深澤 宏
出版者
The Society of Cosmetic Chemists of Japan
雑誌
日本化粧品技術者会誌 (ISSN:03875253)
巻号頁・発行日
vol.40, no.2, pp.76-87, 2006

口紅に求められる品質は, 基本品質と嗜好品質に分けられる。基本品質は「安全性, 安定性 (発汗, 発粉, 折れない, 匂いや色が変わらない等)」が良いことである。嗜好品質は, 「色調」「使用感」「機能」等概ね三つに分類されるが, 優位順位は, 使用する人, 唇の状態, 時間, 場所, 目的に応じて異なるため, 個別検討する必要がある。充填成形時にはさまざまな要因により, 口紅の出来栄え (品質特性) が変化し, 工程管理が行われている。しかし, 「どんな特性をどう評価して, 管理・改善したら良いか」について, 手順が確立しているとはいえない。本研究では「スティックタイプ」の口紅に関して, 充填成形時の管理の手順を「損失関数」の考え方を用いて解説し, 品質特性の改善には「基本機能」の考え方に基づき, 動特性のSN比を用いたパラメータ設計が有効であることを説明する。
著者
上出 良一
出版者
The Society of Cosmetic Chemists of Japan
雑誌
日本化粧品技術者会誌 (ISSN:03875253)
巻号頁・発行日
vol.30, no.3, pp.265-272, 1996-10-20 (Released:2010-08-06)
参考文献数
44
被引用文献数
2 3

紫外線は皮膚の構造・機能に大きな影響を与える環境因子のひとつである。紫外線照射による急性皮膚傷害はサンバーン, サンタンとしてみられ, 慢性の紫外線曝露は老人性色素斑, 光線性弾性線維症, 腫瘍発生などの光老化として長期の潜伏期間の後に出現する。その起点は主にUVBによるDNA損傷と, UVAによる細胞内外の光感作物質の励起で生ずる活性酸素種の発生を介した細胞傷害である。その結果, 皮膚の炎症, 構造的異常, 遺伝子変異, 光発癌, 免疫反応の抑制, 光線過敏症などが生ずる。それらの症状ならびに機序について概説すると共に, それを軽減または予防するための対策について皮膚科学的見地から最近の知見をまとめてみた。