著者
田中 剛平 合原 一幸
出版者
東京大学生産技術研究所
雑誌
生産研究 (ISSN:0037105X)
巻号頁・発行日
vol.61, no.6, pp.1081-1084, 2009 (Released:2010-02-23)
参考文献数
9

新型インフルエンザが世界的に流行し, 今後さらに拡大が続くと懸念されている.今冬以降の流行に備えてワクチンの製造が急ピッチで進められているが, その製造量には限界があるため, ワクチン接種以外の予防手段を徹底することも感染拡大を防止するのに重要だと考えられている.本研究では, 患者のマスク着用や外出の自重, 部屋の換気, 非感染者の手洗いやうがいの徹底などの予防手段によって新型インフルエンザの感染力が一定の割合で低下すると仮定し, その効果について感染症流行モデルを用いて試算した.その結果, 例えば1人の感染者が生み出す2次感染者数の平均を1.4人とした場合, 上記の対策により感染力を10%減らすことができれば, その効果はワクチン約1600万人分に相当し, また最終的な罹患率を約25%減らせることが分かった.[本要旨はPDFには含まれない]

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基本再生産数、実効再生産数という用語の意味がわからない、という人はこの文献を読んでみるといいと思う。 それぞれの概念が専門家でなくても正しく理解できるように書かれている。 https://t.co/Gmd5sxn1dd
感染モデルをざっくりと理解するのにちょうど良い論文があった。 ---感染症流行モデルによる感染力を低下させる予防手段の効果に関する試算 https://t.co/L9cEQcDThn
@liyonyon @May_Roma https://t.co/BrPkCPKlJz

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