著者
亀山 慶晃 大原 雅
出版者
一般社団法人 日本生態学会
雑誌
日本生態学会誌 (ISSN:00215007)
巻号頁・発行日
vol.57, no.2, pp.245-250, 2007-07-31 (Released:2016-09-15)
参考文献数
31

クローナル植物の繁殖様式や生活史特性は極めて多様であり、栄養繁殖が集団維持に果たす役割も多岐に渡っている。また、栄養繁殖と有性繁殖のバランスは各種および集団が成立する生態学的要因と遺伝学的要因の双方を反映し、様々な時空間スケールで変化する。従って、クローナル植物集団の維持機構を明らかにするには、繁殖様式を変化させている要因と、各繁殖様式(繁殖器官)が集団維持に果たしている役割を理解する必要がある。著者らは浮遊性の水生植物タヌキモ類における不稔現象に着目し、不稔をもたらす原因、不稔グループの集団維持、潜在的な有性繁殖能力と遺伝子型多様度、体細胞突然変異と遺伝子型多様度について分子生態学的研究を進めてきた。本稿ではこれらの研究結果を紹介し、タヌキモ類の繁殖様式と集団維持について議論したい。

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@yukisun6 どうやらイヌ×オオが大部分らしいです。でも大部分ということなのでオオ×イヌもあるのだと思います。 ヤチコとU.stygiaみたいに逆交配で違いがあるのかとか気になりますね。 https://t.co/0EeANuHYSK
@inutade11 @HD_NepenthesDoi 「イヌ」のつかないタヌキモ(一部で本タヌキモとも呼ばれる)はオオタヌキモとイヌタヌキモの自然交配種らしいですよ。 https://t.co/G0WcRfV88l
水生植物、切れ端からでも増えるから水や鳥を介した分散が相当大きくはたらくんだろうなーとぼんやり考えていたけど、不稔雑種(タヌキモ)が長期に維持されているとまでは知らなかった…… https://t.co/jAneN6uT3s
@marbl_e タヌキモ類の稔性についてはこの文献があります。 https://t.co/0EeANuHYSK 和名タヌキモと呼ばれるタヌキモの中に稔性を持った複倍数体のタヌキモ属がいるかどうかを考えると植物の全雑種がその可能性を持っちゃうので実際に見つかるまでは考慮しにくいのではないかなと思います。

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