著者
河野 玲華
出版者
日本神経眼科学会
雑誌
神経眼科 (ISSN:02897024)
巻号頁・発行日
vol.32, no.3, pp.291-295, 2015-09-25 (Released:2015-10-16)
参考文献数
9
被引用文献数
3

眼球赤道部をリング状に取り囲むコラーゲンを主体とする眼窩結合組織(これを眼窩プリーと称す,以下プリーと略)は,外眼筋の走行を安定させ,かつ外眼筋の起始部として機能的な役割を担う.とくに密なコラーゲンを主体とする厚みが2~2.5 mmの外直筋と上直筋との間のプリー組織(LR-SRバンドと略)の形態と眼位との関係が注目されている.LR-SRバンドに加えて外直筋のプリー組織も加齢の影響を受けやすく,LR-SRバンドの菲薄化,伸展,断裂,さらに外直筋プリーの下垂が眼位異常を生じさせる可能性が指摘されている.なかでも,sagging eye syndromeと称されるタイプの眼位異常ではbaggy eyelid,superior sulcus deformity,腱膜性眼瞼下垂などの外眼部異常も随伴するのが特徴である.

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@guchopoi LR-SR bandのことですよね?!この組織は平滑筋を多く含んでおり、pulleyの一部という理解で良いと思います

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