著者
濱川 公祐 西村 光太郎 矢部 敏和 土居 義典
出版者
公益財団法人 日本心臓財団
雑誌
心臓 (ISSN:05864488)
巻号頁・発行日
vol.45, no.7, pp.798-803, 2013-07-15 (Released:2014-09-16)
参考文献数
16

症例は,40歳代,女性.高血圧,脂質異常症で内服加療中であった.数年前からときどき胸痛を認めたが,心電図では明らかな異常を指摘できなかった.2009年4月の夜間に強い胸痛を数回認め他院に入院となった.冠動脈造影では狭窄病変はなく,エルゴノビン負荷試験でも有意な冠攣縮は認めなかった.2010年9月に虚血性ST-T変化を伴う強い胸痛が出現し,その後胸痛の頻度が増加した.微小血管狭心症と考えニフェジピンCR,ニコランジル,一硝酸イソソルビド,硝酸イソソルビド貼付薬を併用するも症状は改善せず,胸痛時のニトログリセリン舌下も効果は乏しかった.しかし,ニフェジピンCRをジルチアゼムRに変更したところ胸痛の頻度が減少し,さらに,ベラパミルを追加したところ胸痛はほぼ消失した.微小血管狭心症が疑われCa拮抗薬の変更が著効した1例であり文献的考察を加えて報告する.

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「微小血管狭心症」とはどんな病気? 最近気にされる患者さんが多いようですが、定義としては冠動脈造影などで検出できない100μm以下の微小冠動脈の器質的ないしは機能的な異常により胸痛や心筋虚血を生じる疾患とされています。特有の胸部症状があり心電図異常は検出されるのですが、冠動脈画像検索(カテーテルやCT)では異常が検出されません。冠攣縮性狭心症の治療によく使われるニトロなどの硝酸剤より、心拍数を落と ...

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@kakipitabetai 私も分2だと適応外になると思いますが、実際ジルチアゼム分2での処方箋はよく見ます!(疑義はとりまかける) 詳しくは勉強不足でわからないのですが、この例でも分2の使用で改善したみたいです! https://t.co/30jje4Ylv0

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