著者
高橋 怜嗣 峰 隆直 蘆田 健毅 貴島 秀行 石原 正治 増山 理
出版者
公益財団法人 日本心臓財団
雑誌
心臓 (ISSN:05864488)
巻号頁・発行日
vol.48, no.SUPPL.1, pp.S1_110-S1_116, 2016 (Released:2017-11-15)
参考文献数
7

症例は65歳女性. 11年前より透析導入となり, 腎移植されたが再度透析導入となったためシャント造設術を施行された. 導入2週間後, 透析中に頻回のTorsade de Pointes (以下TdP) を認めた. このときQTc延長 (660ms), 巨大陰性T波を認め, 心エコーでは左室心尖部はakinesisであり, たこつぼ心筋症様であった. 低カリウム血症 (3.2mEq/L) 補正を行うとTdPは認めず, 経過中にたこつぼ心筋症は軽快した. 4カ月後透析中にTdPを認めた. 心エコーでは左室収縮能は改善しており, 正常カリウム値を示し原因不明の繰り返すVFのため植込み型除細動器 (以下ICD) を植込んだ. 以降, 厳正なカリウム調節を行うことで, TdPを認めなかった. 今回我々は, たこつぼ心筋症, 低カリウム血症を契機にTdPを発症した透析患者の1例を経験したので, 若干の文献的考察を加え報告する.

言及状況

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③ベースの心疾患により低Kで不整脈が誘発されやすくなる 透析患者では心疾患を合併している症例も多く、低Kによる不整脈の閾値が下がります。 実際に透析でのK除去に関連した透析中/透析後不整脈の報告あり(次図は国内の報告、低KによるTdP(矢印)が透析中/透析後に反復) https://t.co/TRE7uX5xuV https://t.co/GOS1CcxcWc

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