著者
坂 真智子 飯島 和昭 西田 真由美 狛 由紀子 長谷川 直美 佐藤 清 加藤 保博
出版者
公益社団法人 日本食品衛生学会
雑誌
食品衛生学雑誌 (ISSN:00156426)
巻号頁・発行日
vol.49, no.3, pp.141-149, 2008-06-30 (Released:2008-07-17)
参考文献数
20
被引用文献数
14 13

米の加工および調理による計11種の農薬の残留濃度変化に伴う調理加工品への移行率(玄米に残留する農薬量に対する生成試料中の残留農薬量の比率,%)について,プレハーベスト処理試料(Pre, 9薬剤)とポストハーベスト処理試料(Post, 4薬剤)を調製して調査した.また,玄米に残留する農薬の濃度に対する生成試料中の残留農薬濃度の比(以下,本報告では加工係数と称する)も求めた.Preの結果は以下のとおりであった.精米工程において,玄米に残留していた農薬のうち40~106%が糠とともに除去され,白米に残っていたのは10~65%の範囲であった.白米の加工係数は0.11~0.73を示した.これらの数値は,薬剤間の差が大きかった.加水分解性,水溶解性,蒸気圧,log Powなど各農薬の物理化学的性状の一要因と移行率との間に相関は認められなかった.調理加工における農薬の残留濃度変化を調査することは,基準値設定に役立つばかりでなく,食品における農薬の残留実態を認識する上で重要である.

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加工及び調理による米農薬残留

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