著者
篠崎 由賀里 隅 健次 山地 康大郎 田中 聡也 佐藤 清治
出版者
日本腹部救急医学会
雑誌
日本腹部救急医学会雑誌 (ISSN:13402242)
巻号頁・発行日
vol.34, no.6, pp.1159-1162, 2014-09-30 (Released:2015-02-04)
参考文献数
11

水上バイク事故により生じた外傷性直腸肛門損傷から縦隔気腫にまで至った1例を経験した。水上バイクの後部座席に乗船した20歳女性が振り落とされて落水。肛門部痛と気分不良を訴え,6時方向での肛門直腸の断裂を確認。胸腹部CTで肛門から直腸周囲と縦隔にまで広がるairを認め,落水した際のウォータージェット推進装置から噴き出した水による直腸裂傷,後腹膜気腫,縦隔気腫と診断した。緊急手術施行し損傷部位を縫合閉鎖,後腹膜ドレナージ,横行結腸人工肛門を造設した。術後致命的な合併症は無かったが,膀胱直腸機能障害が改善しなかったために受傷後22日目,人工肛門形成,自己導尿状態で退院。水上バイク事故による重傷損傷は増加しており,国土交通省運輸安全委員会も注意喚起している。本症例では症状は軽度であるも骨盤神経叢の損傷が疑われ膀胱直腸機能に重篤な後遺症が残る可能性もある。同様の事故を防ぐための行政対策も必要と考える。
著者
小林 宏行 武田 博明 渡辺 秀裕 太田見 宏 酒寄 享 齋藤 玲 中山 一朗 富沢 麿須美 佐藤 清 平賀 洋明 大道 光秀 武部 和夫 村上 誠一 増田 光男 今村 憲市 中畑 久 斉藤 三代子 遅野井 健 田村 昌士 小西 一樹 小原 一雄 千葉 太郎 青山 洋二 斯波 明子 渡辺 彰 新妻 一直 滝沢 茂夫 中井 祐之 本田 芳宏 勝 正孝 大石 明 中村 守男 金子 光太郎 坂内 通宏 青崎 登 島田 馨 後藤 元 後藤 美江子 佐野 靖之 宮本 康文 荒井 康男 菊池 典雄 酒井 紀 柴 孝也 吉田 正樹 堀 誠治 嶋田 甚五郎 斎藤 篤 中田 紘一郎 中谷 龍王 坪井 永保 成井 浩司 中森 祥隆 稲川 裕子 清水 喜八郎 戸塚 恭一 柴田 雄介 菊池 賢 長谷川 裕美 森 健 磯沼 弘 高橋 まゆみ 江部 司 稲垣 正義 国井 乙彦 宮司 厚子 大谷津 功 斧 康雄 宮下 琢 西谷 肇 徳村 保昌 杉山 肇 山口 守道 青木 ますみ 芳賀 敏昭 宮下 英夫 池田 康夫 木崎 昌弘 内田 博 森 茂久 小林 芳夫 工藤 宏一郎 堀内 正 庄司 俊輔 可部 順三郎 宍戸 春美 永井 英明 佐藤 紘二 倉島 篤行 三宅 修司 川上 健司 林 孝二 松本 文夫 今井 健郎 桜井 磐 吉川 晃司 高橋 孝行 森田 雅之 小田切 繁樹 鈴木 周雄 高橋 宏 高橋 健一 大久保 隆男 池田 大忠 金子 保 荒川 正昭 和田 光一 瀬賀 弘行 吉川 博子 塚田 弘樹 川島 崇 岩田 文英 青木 信樹 関根 理 鈴木 康稔 宇野 勝次 八木 元広 武田 元 泉 三郎 佐藤 篤彦 千田 金吾 須田 隆文 田村 亨治 吉富 淳 八木 健 武内 俊彦 山田 保夫 中村 敦 山本 俊信 山本 和英 花木 英和 山本 俊幸 松浦 徹 山腰 雅弘 鈴木 幹三 下方 薫 一山 智 斎藤 英彦 酒井 秀造 野村 史郎 千田 一嘉 岩原 毅 南 博信 山本 雅史 斉藤 博 矢守 貞昭 柴垣 友久 西脇 敬祐 中西 和夫 成田 亘啓 三笠 桂一 澤木 政好 古西 満 前田 光一 浜田 薫 武内 章治 坂本 正洋 辻本 正之 国松 幹和 久世 文幸 川合 満 三木 文雄 生野 善康 村田 哲人 坂元 一夫 蛭間 正人 大谷 眞一郎 原 泰志 中山 浩二 田中 聡彦 花谷 彰久 矢野 三郎 中川 勝 副島 林造 沖本 二郎 守屋 修 二木 芳人 松島 敏春 木村 丹 小橋 吉博 安達 倫文 田辺 潤 田野 吉彦 原 宏起 山木戸 道郎 長谷川 健司 小倉 剛 朝田 完二 並川 修 西岡 真輔 吾妻 雅彦 前田 美規重 白神 実 仁保 喜之 澤江 義郎 岡田 薫 高木 宏治 下野 信行 三角 博康 江口 克彦 大泉 耕太郎 徳永 尚登 市川 洋一郎 矢野 敬文 原 耕平 河野 茂 古賀 宏延 賀来 満夫 朝野 和典 伊藤 直美 渡辺 講一 松本 慶蔵 隆杉 正和 田口 幹雄 大石 和徳 高橋 淳 渡辺 浩 大森 明美 渡辺 貴和雄 永武 毅 田中 宏史 山内 壮一郎 那須 勝 後藤 陽一郎 山崎 透 永井 寛之 生田 真澄 時松 一成 一宮 朋来 平井 一弘 河野 宏 田代 隆良 志摩 清 岳中 耐夫 斎藤 厚 普久原 造 伊良部 勇栄 稲留 潤 草野 展周 古堅 興子 仲宗根 勇 平良 真幸
出版者
Japanese Society of Chemotherapy
雑誌
日本化学療法学会雜誌 = Japanese journal of chemotherapy (ISSN:13407007)
巻号頁・発行日
vol.43, pp.333-351, 1995-07-31
被引用文献数
2

新規キノロン系経口合成抗菌薬grepafloxacin (GPFX) の内科領域感染症に対する臨床的有用性を全国62施設の共同研究により検討した。対象疾患は呼吸器感染症を中心とし, 投与方法は原則として1回100~300mgを1日1~2回投与することとした。<BR>総投与症例525例のうち509例を臨床効果判定の解析対象とした。全症例に対する有効率は443/509 (87.0%) であり, そのうち呼吸器感染症432/496 (87.1%), 尿路感染症11/13 (84.6%) であった。呼吸器感染症における有効率を疾患別にみると, 咽喉頭炎・咽頭炎19/22 (86.4%), 扁桃炎17/18 (94.4%), 急性気管支炎53/58 (91.4%), 肺炎104/119 (87.4%), マイコプラズマ肺炎17/19 (89.5%), 異型肺炎5/5, 慢性気管支炎117/133 (88.0%), 気管支拡張症48/63 (76.2%), びまん性汎細気管支炎17/19 (89.5%) および慢性呼吸器疾患の二次感染35/40 (87.5%) であった。<BR>呼吸器感染症における細菌学的効果は233例で判定され, その消失率は単独菌感染では154/197 (78.2%), 複数菌感染では22/36 (61.1%) であった。また, 単独菌感染における消失率はグラム陽性菌48/53 (90.6%), グラム陰性菌105/142 (73.9%) であり, グラム陽性菌に対する細菌学的効果の方が優れていた。呼吸器感染症の起炎菌のうちMICが測定された115株におけるGPFXのMIC<SUB>80</SUB>は0.39μg/mlで, 一方対照薬 (97株) としたnornoxacin (NFLX), onoxacin (OFLX), enoxacin (ENX) およびcipronoxacin (CPFX) はそれぞれ6.25, 1.56, 6.25および0.78μg/mlであった。<BR>副作用は519例中26例 (5.0%, 発現件数38件) にみられ, その症状の内訳は, 消化器系18件, 精神神経系13件, 過敏症3件, その他4件であった。<BR>臨床検査値異常は, 490例中49例 (10.0%, 発現件数61件) にみられ, その主たる項目は, 好酸球の増多とトランスアミナーゼの上昇であった。いずれの症状, 変動とも重篤なものはなかった。<BR>臨床効果と副作用, 臨床検査値異常の安全性を総合的に勘案した有用性については, 呼吸器感染症での有用率422/497 (84.9%), 尿路感染症で10/13 (76.9%) であり, 全体では432/510 (84.7%) であった。<BR>以上の成績より, GPFXは呼吸器感染症を中心とする内科領域感染症に対して有用な薬剤であると考えられた。
著者
佐藤 清秀 内山 晋二 山本 裕之
出版者
特定非営利活動法人 日本バーチャルリアリティ学会
雑誌
日本バーチャルリアリティ学会論文誌 (ISSN:1344011X)
巻号頁・発行日
vol.10, no.3, pp.391-400, 2005-09-30 (Released:2017-02-01)
被引用文献数
3

This paper describes a new robust registration framework, which is named "UG+B", for Augmented or Mixed Reality (AR/MR) applications. Our methods measure pose of a head-mounted display (HMD) using not only an image captured by a user's view camera mounted on the HMD, but also images captured by bird's-eye view cameras each of which observes the HMD from a third-person's viewpoint, as well as an orientation measured by a sensor mounted on the HMD. In our methods, the markers placed in the scene and that on the HMD are tracked on the user's view and the bird's-eye view image respectively. Then, the pose of the HMD is estimated to minimize the sum of the re-projection error for all markers. Furthermore, the inclination angles measured by the orientation sensor are used as known values to constrain the pose, thus, the remaining parameters, i.e. the position and azimuth angle, are deduced by image information. In addition to theoretical discussions, this paper demonstrates the effectiveness of our methods by experiments in comparison with conventional vision-based registration methods.
著者
山本 紳一郎 増田 卓 松山 斉久 佐藤 清貴 盛 虹明 北原 孝雄 大和 田隆
出版者
Japanese Association for Acute Medicine
雑誌
日本救急医学会雑誌 (ISSN:0915924X)
巻号頁・発行日
vol.8, no.5, pp.189-200, 1997-05-15 (Released:2009-03-27)
参考文献数
30
被引用文献数
2 1

クモ膜下出血(SAH)急性期に認められる心電図異常を中枢性・末梢性交感神経系の活動および心筋障害の程度と対比し,心電図異常の成因について検討した。発症24時間以内の破裂脳動脈瘤によるSAH677例に対して,来院時より24時間の心電図モニターを行い,不整脈を認めなかった281例をA群,心室性期外収縮,心室性頻拍,心室細動の3種類以外の不整脈を認めた274例をB群,心室性不整脈として心室性期外収縮,心室性頻拍,心室細動のいずれかを認めた122例をC群とした。来院時に血圧,脈拍,意識状態,頭部CT検査を行い,心筋逸脱酵素,心筋収縮蛋白,カテコラミン,ノルアドレナリン代謝産物のMHPGを測定した後,脳動脈造影を施行した。3群間では年齢に有意差はなく,不整脈はSAH急性期の58%に出現し,不整脈として洞性頻脈,心室性期外収縮,上室性期外収縮などが多く認められた。来院時の血圧,心拍数はA群に比べB群あるいはC群で有意に上昇し,QTc間隔はA群に比べC群で有意に延長していた。また来院時の電解質濃度あるいは脳動脈瘤の部位には3群間で有意な差は認めなかった。不整脈はWFNS分類によるgrade 1V, Vの重症例に多く出現し,Fisher分類によるSAHの程度ではA群およびC群に比べB群でgroup 4の割合が高かった。血漿ノルアドレナリン,アドレナリン,MHPG濃度はA群と比較してB群およびC群でいずれも有意に上昇していた。血清CK-MB,ミオシン軽鎖およびトロポニンTの最高値は,A群およびB群に比較してC群で有意に高値を示した。SAH急性期の心電図異常は,交感神経系活動の亢進による機能的な変化から出現する場合と,カテコラミンによる心筋障害のために出現する場合があると考えられる。また,心室性不整脈を認める例ほど心筋障害を合併している可能性が高く,SAH急性期に認められる心肺機能停止との関連が示唆された。

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著者
佐藤清隆 著
出版者
有田書店
巻号頁・発行日
1907
著者
佐藤 清隆
出版者
駿台史学会
雑誌
駿台史学 (ISSN:05625955)
巻号頁・発行日
no.81, pp.p145-175, 1991-02

別稿にて、この時代の議会制定法サイドからみた居酒屋政策に関してささやかなスケッチを試みたが、本稿では、その論稿に続き、王権の行政活動にみられる居酒屋政策について検討し、議会制定法との異同を明らかにすることを課題としてみたい。 その際、留意すべき検討課題は次の三点である。その一つは、別稿で明らかにした議会制定法の内容が王権の行政活動のなかで具体的にどのように施行されたのかという点である。しかし、この視点のみでは、王権による居酒屋統制の半分も問題にしたことにはならない。というのも、王権の居酒屋統制は、居酒屋に関する議会制定法だけではなく、そのほかの議会制定法(浮浪者取締法や「肉食禁制」に関する法など)施行の過程でも問題くからである。
著者
神田 聖子 仲田 瑛子 小田島 祐美子 中野 都 佐藤 清香 江木 伸子
出版者
特定非営利活動法人 日本栄養改善学会
雑誌
栄養学雑誌 (ISSN:00215147)
巻号頁・発行日
vol.78, no.2, pp.78-87, 2020-04-01 (Released:2020-05-27)
参考文献数
36

【目的】日本食品標準成分表2015年版において,調理前(原材料)と調理後食品を用いた献立の栄養価の差を明らかにし,栄養価計算を行う際の留意事項を検討する。【方法】学内の給食管理実習における30日分の昼食献立を対象に,調理を考慮しない「作成時」と考慮した「提供時」について対応のあるt検定またはWilcoxon符号順位検定を用いて1食あたりの栄養価を比較した。食品群別による比較も行なった。【結果】エネルギーの平均値±標準偏差は作成時で 719±70 kcal,提供時で 699±65 kcalであり,提供時で有意に低かった(p<0.001)。提供時で有意に低値となった栄養素は脂質,飽和脂肪酸,カリウム,カルシウム,鉄,ビタミンA,ビタミンB1,ビタミンB2,ビタミンCであり,食物繊維のみ提供時で有意に高かった。食品群別にみると,肉類と野菜類で提供時の栄養価の減少が目立った。【結論】作成時と提供時の栄養価には統計的な差があり,栄養価計算は調理後食品で行うことが望ましいとわかった。両者の差は肉類及び野菜類で調理後食品を用いることにより解消できると考える。やむを得ず原材料で栄養価計算を行う際は,カリウム,鉄,水溶性ビタミンの給与栄養目標量を食事摂取基準の110~140%に設定すること,または,肉類の使用量を予定原材料の115%,野菜類を132%にすることで提供時の値に近似することが示唆された。
著者
佐藤 裕 佐藤 清治 広橋 喜美 伊山 明宏 原岡 誠司 溝口 哲郎 片野 光男 樋高 克彦 原田 貞美 藤原 博 山本 裕士 久次 武晴
出版者
Japan Surgical Association
雑誌
日本臨床外科医学会雑誌 (ISSN:03869776)
巻号頁・発行日
vol.50, no.3, pp.577-584, 1989-03-25 (Released:2010-01-21)
参考文献数
18
被引用文献数
11

1985年5月から1987年12月までの3年7ヵ月の間に,6名のシートベルトに起因する鈍的腸管・腸間膜損傷を経験したので報告する. 症例は男性5名,女性1名の計6名で,平均年齢は51.7歳であった.このうち,盲腸破裂と多発小腸穿孔をきたし,すでにshock状態におちいっていたために,回盲部切除を余儀なくされた女性を術後敗血症で失なった以外は全例軽快退院した.また大腸に損傷のあった5例中,遊離穿孔に至っていたのは2例のみで,あとの3例は腸間膜損傷をともなった腸管壁の漿膜筋層断裂にとどまっており,腸管切除をせずに吸収糸にて縫縮,修復するのみで良好な結果を得た. 診断面においては,腹部CT検査が腹腔内遊離ガスと液体貯留をあわせて同定でき,しかもその性状にも言及できる利点があり非常に有用であった. 交通事故の増加とシートベルト着用の義務化にともない,今後シートベルトによる鈍的な腸管・腸間膜損傷が増加するものと考えられる.シートベルトを着用した交通外傷患者の診療に際しては,常にこのことを念頭おくべきことを強調したい.
著者
辛島 桂一 佐藤 清 森戸 俊樹
出版者
一般社団法人 日本航空宇宙学会
雑誌
日本航空宇宙学会誌 (ISSN:00214663)
巻号頁・発行日
vol.41, no.468, pp.35-43, 1993
被引用文献数
2 1

This paper concerns with the results of an experimental study on dynamic load characteristics in parachute inflation at a subsonic speed. The unsteady drag of the parachutes in the process of inflation is measured in a wind tunnel at <i>M</i>=0.2, and the opening shock load is examined in detail with emphasis on the effects of porosity and size of the models. It is shown that the circular vents near the edge of the canopy are more effective than the slit vents to reduce the opening shock load without considerable decrease of drag in the steady-state. Detailed examination reveals that the model geometry as well as descending speeds has no serious influence on the coefficients of the opening shock load <i>C</i><sub>m</sub> and the opening time <i>C</i><sub>t</sub>, if both <i>C</i><sub>m</sub> and <i>C</i><sub>t</sub> are defined by use of the effective references calculated from the concept of an equivalent parachute, which has a circular plane canopy with the reduced area obtainable by subtracting porous area from the geometric one.
著者
佐藤 清隆
出版者
明治大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2010

本研究では、第二次世界大戦後のイギリスにおける多民族都市レスターの南アジア系移民(主としてインド系)コミュニティの歴史を、「宗教」(ヒンドゥー教、シク教、イスラーム教など)を中心に据えて明らかにした。その際、一方では、各民族・宗教内の多様性や差別に注意を払い、他方では、彼らとイギリスの多文化主義政策の下でおこったレスターの多宗教統合との関連を重視して検討をおこなった。また、本研究の過程で、数多くのインタビューを実施し、「多宗教・多文化の歴史研究所」(明治大学)から『記憶と語り』シリーズの一部として英語による5冊のブックレットを刊行した。
著者
佐藤 清隆
出版者
公益社団法人 日本油化学会
雑誌
オレオサイエンス (ISSN:13458949)
巻号頁・発行日
vol.16, no.9, pp.425-432, 2016 (Released:2019-02-01)
参考文献数
24
被引用文献数
1

ゲル,クリーム,エマルションなどのコロイド分散系の脂質含有食品において,脂質結晶は融解挙動,レオロジー,テクスチャー形成に重要な役割を果たしている。近年,脂質結晶に関する研究が極めて活発になっているが,その駆動力の1つが欧米で喫緊の課題となっている「トランス酸代替」と「飽和酸低減」のための技術開発であろう。本稿では,分子レベルから結晶ネットワークのレベルまで,脂質結晶の構造と物性に関する基礎的知見を,応用と結びつけながら解説する。とくに,脂質の結晶多形構造,混合挙動および結晶化の制御についての最近の研究をレビューする。
著者
佐藤 清隆
出版者
明治大学人文科学研究所
雑誌
明治大学人文科学研究所紀要 (ISSN:05433894)
巻号頁・発行日
vol.58, pp.179-212, 2006-03

2001年の国税調査によると、イングランド中部の一多民族都市レスターの全人口は約28万人で、エスニック・マイノリティは約10万人(36.1%)である。そのなかでもっとも多い割合を占めているのが、南アジアのインド系の人びとである。約7万2000人(25.7%)である。割合は低いとはいえ、インド系以外に、パキスタン系、バングラディシュ系、ブラック・カリビアン、ブラック・アフリカン、中国系なども住んでいる。宗教人口では、キリスト教が一番多いが、その割合は44.7%とすでに半数を割っている。キリスト教徒以外では、ヒンドゥー、イスラーム、シクの割合が多く、三つの宗教合わせて29.9%である。これらの宗教以外では、数は少ないが、ユダヤ教、ジャイナ教、仏教、ゾロアスター教、バハイ教などを信仰する人びとが住んでいる。
著者
蜂屋 巌 古谷野 哲夫 佐藤 清隆
出版者
Japan Oil Chemists' Society
雑誌
油化学 (ISSN:18842003)
巻号頁・発行日
vol.37, no.6, pp.431-436, 1988-06-20 (Released:2009-11-10)
参考文献数
18
被引用文献数
2 2

The solidification behavior of cocoa butter from the melt phase was examined during two different types of thermal treatment : simple cooling (60→29°C) and cooling/heating (60→22→30°C).Triacylglycerol composition and polymorphic modified samples were determined. The crystals formed by simple cooling were a mixture of Form V and Form VI of cocoa butter. But only the Form V could be found in crystals obtained by the cooling/heating. These crystals were filtered out and what appeared to be fat blooming of the solidified samples of residual melt was examined. The fat blooming was found in solidified fat after the filtration of simple cooling crystals less than 1 μm in size and in cooling/heating cystals 0.22 μm in size. The addition of 0.2 % of the seed crystals of cocoa butter with Form VI increased the rates of solidification and no fat blooming was observed.