著者
今村 隆正
出版者
一般社団法人 日本治山治水協会
雑誌
水利科学 (ISSN:00394858)
巻号頁・発行日
vol.62, no.5, pp.19-34, 2018-12-01 (Released:2020-02-28)
参考文献数
21

奈良県は土砂災害の年間発生件数からみると,土砂災害が少ないと認識されがちであるが,夏から秋にかけての台風などによる豪雨を誘因とした大規模な土砂災害が数十年置きに発生している。本稿は,歴史資料(古文書,奈良県史,市町村誌)調査,ヒアリング調査,現地調査を基に,江戸時代以降に奈良県で発生した大規模な土砂災害の事例を調査した結果を整理したものである。 古くは享保六年(1721)の「三子抜け」をはじめ,明治22年(1889)の「十津川災害」,昭和34年(1959)の伊勢湾台風による「高原の山津波」,そして平成23年(2011)には「紀伊半島大水害」と繰り返し発生している。そしてこれらの誘因は全て降雨であり,地震を誘因とした大規模な土砂災害の記録は今のところ確認されていない。

言及状況

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奈良県発行の『歴史から学ぶ 奈良の災害史』(平成26年)の10頁から伊賀上野地震の項目があり、古市町平尾池の普請の碑の写真がある。この碑の碑文全文および現代語訳を記載した資料はあるか。 また、古市町で池が決壊し被害が大きかったようだが、これは平尾池のことか、またこの被害について詳細を知りたいので、資料があれば教えていただきたい。

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