著者
宮﨑 照雄 佐々木 誠一 豊田 淳 白井 睦 池上 正 本多 彰
出版者
国際タウリン研究会
雑誌
タウリンリサーチ (ISSN:21896232)
巻号頁・発行日
vol.5, no.1, pp.19-22, 2019 (Released:2020-09-20)

タウリン生合成能がないネコでは、タウリン枯渇食の供与により生体中のタウリンが欠乏状態に陥る。タウリンの欠乏により、タウリンの胆汁酸抱合率が顕著に減少する。さらに、胆汁中の胆汁酸濃度の有意な減少と胆汁酸組成の変化が生じる。そこで、タウリンの欠乏が、肝臓における胆汁酸合成過程に及ぼす影響について、胆汁酸合成経路の中間代謝物である酸化ステロールの変化について検討した。その結果、タウリン欠乏ネコの肝臓において、胆汁酸合成経路のClassic pathway の酸化ステロールの有意な増加とAlternative pathway の酸化ステロールの有意な減少が確認された。タウリン欠乏による胆汁酸組成の変化は、胆汁酸合成経路で異なる中間代謝物の変化に伴っており、タウリンが胆汁酸合成系の代謝に関与する可能性が示唆された。

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