著者
仁宇 暁子
出版者
徳島文理大学
雑誌
徳島文理大学研究紀要 (ISSN:02869829)
巻号頁・発行日
vol.96, pp.151-160, 2018-09-09 (Released:2019-02-20)
参考文献数
7

本研究は,従来の美術系大学の受験のための「視覚的なデッサン」とは異なる「感性的なデッサン」を行うことで,芸術家の絵がどのように変容するかをさまざまに実験することを通して,芸術における石膏デッサンの新たな価値の発見を目指したものである,実験では,徳島および台湾の芸術家とともに,像を直感で描いたり,像を布で覆ってその感触を描いたり,感性優位なデッサンを重ね,そこから新たな絵の創造を試みた。 結果的に,本研究の実験に関わった芸術家の作品は,感性的石膏デッサンと自らの絵の行きつく方向やコンセプトとの相乗効果によって,より精神性の高い創造的な絵に変容していった。その変容の内容は,(1)感性的石膏デッサンは古いものを打ち破り,新しい作品を生む,(2)感性的石膏デッサンは抽象も具象の作品も創造する,(3)感性的石膏デッサンは自らを客観的に可視化し,自らも作品も成長させる,の3 点で説明できた。

言及状況

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興味深い論文 100年の歴史があるんですね>石膏デッサン 創造の一過程としての石膏デッサンの可能性 ―感性的デッサンが絵を変容させる― https://t.co/7lTgHm3MHG

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