著者
三原 俊彦 平田 幸正
出版者
一般社団法人 日本糖尿病学会
雑誌
糖尿病 (ISSN:0021437X)
巻号頁・発行日
vol.21, no.11, pp.965-973, 1978-11-30 (Released:2011-08-10)
参考文献数
8

1958年に日本糖尿病学会が設立されたのを契機として, 全国各地の病院に糖尿病専門外来がつくられ, 糖尿病患者が長期にわたって管理を受けることができるようになった.1958年発足以来1976年まで18年間にわたって糖尿病患者の治療・管理を行っている糖尿病センターに通院している患者をみると, 糖尿病罹病期間の長いものが多数みられる.現在当センターを受診している糖尿病患者の実態を明らかにする目的で, 1976年1月1日より12月31日までの1年間に当センターを受診した糖尿病患者について一定の形式で問診, 診察, 諸検査を施行した.所定の調査項目の結果がすべて明らかとなった糖尿病患者1,629名の臨床像はつぎの通りであった.患者の男女比は1.23であり, 調査時年齢のピークは60歳代, 糖尿病推定発症年齢のピークは50歳であった.糖尿病推定発症より調査時までの推定罹病期間は, 従来の報告に比し長いものが多く, 10年以上の罹病歴をもつものが38.4%をしめた.糖尿病の家族歴を有するものは39.3%にみられ, 従来の報告に比し高い頻度を示した.糖尿病罹病歴の長いものが多かったこともあり, 糖尿病性合併症の頻度も高く, 糖尿病性神経障害、網膜症, 蛋白尿の頻度は, それぞれ, 53.0%, 39.4%, 33.5%であった.今後ますます糖尿病性合併症を有する糖尿病歴の長い患者の割合が増加してくることが予想される.

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ちょっと古い研究だが、男性の場合で標準体重の1.2倍程度が最頻値。女性は標準体重付近が最頻値。 やっぱりそんなには太ってないようだ。 https://t.co/NGNExS2cCN

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