著者
星野 健二
出版者
日本毒性学会
雑誌
日本毒性学会学術年会 第45回日本毒性学会学術年会
巻号頁・発行日
pp.S15-1, 2018 (Released:2018-08-10)

DNAワクチンは,抗原となるタンパク質やペプチドをコードする遺伝子を組み込んだプラスミドDNAで,免疫原となるタンパク質を投与された生体内の細胞で産生させるという特異なワクチンである。既存のタンパク性ワクチンや生ワクチンに比較した際の利点は,安定であること,病原体を使っていないこと,大規模な製造も容易であることであり,欠点はヒトにおける免疫原性が従来のワクチンより弱いことである。そのため,免疫原性を高める様々な工夫がされて来ているが,ヒトの医薬品として認可されたDNAワクチンはまだ存在しない。想定されるリスクは, DNAワクチンの性状(産生されるタンパク質の機能,アジュバント等添加物の有無),適用となる集団により様々である。臨床試験の開始や新薬申請の際に必要となる前臨床安全性試験のパッケージについては,WHOや行政当局による各種ガイドライン,過去の事例を参照して立案し,必要に応じてFDA,EMAやPMDAに相談・確認して決められている。今回は,これまでの行政対応などで得られた知見を踏まえ,前臨床安全性の評価戦略に関して紹介する。

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