甲田 烈

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久しぶりにこの種の論文のシェア。最近読んだ中でも以下のような興味深い指摘を含む「犬神」研究。  酒井貴広(2014). 現在までの憑きもの研究とその問題点 ⇨http://dspace.wul.waseda.ac.jp/dspace/bitstream/2065/41278/1/BungakuKenkyukaKiyo4_59_Sakai.pdf  「特に民俗学におけるこれまでの憑きもの研究は、 ...
すこし古い論考だが、井上円了の継承という関心から「妖怪」について考える基本的視座は説き尽くしていて、微修正や精緻化に向かっているだけなので、拙論を添付しておく。  「井上妖怪学の現象学的転回」 http://ci.nii.ac.jp/els/110007523679.pdf?id=ART0009354393&type=pdf&lang=jp&host=cinii&order_no=&ppv_ty ...
【哲学/仏教】  最近、哲学方面で調べだし、気になっているのが潜在的形成力と訳される「サンスカーラ」。関心や欲望、情動の源を探ると、こう言い当ててよいようなもの現れる気がする。これはもちろん「仏教」の側からの視点だけれど。  これはなかなかに良い論文。  鈴木隆泰氏の「諸行無常再考」 http://ci.nii.ac.jp/els/110004047240.pdf?id=ART0006307294 ...
【妖怪・哲学】  長谷千代子氏の2009年の論文「アニミズムの語りかた」。  明示的にはおそらく岩田慶治を創造的に活かした唯一の研究。  「見立て」や「擬人化」としてアニミズムを定義する試みに疑問を呈していることには共感する。  また、ここで言われる「受動的視点」は、フッサールのいう「先受動的構成」と通ずると思う。 http://ci.nii.ac.jp/els/110007504202.pdf ...
玉城康四郎氏は生前に一般向けのわかりやすいーーそして実体験に即したーーお経の解説書が多い、知人に奨めようと思って探したらほとんど絶版である。  個人的には講談社学術文庫の『仏教の根柢にあるもの』の冒頭論文が良いのだが。  さしあたり『死生学研究』に掲載されている魚川祐司氏の論文「玉城康四郎の仏教哲学」をリンクしておく。理路を明晰に解き明かしているからだ。  それにしても懐かしく思い出されるのは ...
たわむれにCiNiiの著者欄で「井上円了」と検索したら驚いた。  『井上円了選集』がダウンロード可能になている。  これで自宅のPCひとつあればどこでも円了の時代に!  と、いうか、以前から考えている読書会ができるぞ。  『妖怪学講義』は個人的に「緒言」と「総論」。とりわけ後者の「怪情」という情動の分析がおすめで、これは先行研究にも言及がないのでおすすめ。 http://ci.nii.ac.j ...
【妖怪】  「小豆洗い」研究以来しばらくぶりの文献探索では良質な論文に出会った。  昨年のもので新しい。  阿部敏夫氏「コロポックル伝説生成資料」。  なぜこの論文に注目したかというと、坪井正五郎のコロポックル先住民族説の経緯を纏めている点。坪井は井上円了の不思議研究会のメンバーであり、先住民族説は柳田ー南方の「山人」論争と並び、「妖怪」イメージの変遷をたどる上で参考になる。  もちろん、説話集 ...