著者
野口 玉雄
出版者
日本水産學會
巻号頁・発行日
vol.69, no.6, pp.895-909, 2003 (Released:2011-03-05)

マリントキシン(魚介毒)は、魚介類がもつ自然毒で魚介類の食中毒の原因となっている。主なものとして、フグ毒(テトロドトキシン、X)、麻痺性貝毒(PSP)、シガテラ毒、下痢性貝毒(DSP)、“アオブダイ毒””(palyoxin(PX)またはPX様物質)などがある。最近のマリントキシン研究の進歩により、これらの毒の動物界における分布が広いことが分かり、それに伴い多くのマリントキシンの来源が微細生物に端を発した食物連鎖により毒化することが明らかとなった。また地球環境の変化に伴い、毒化生物の分布が広くなり、食中毒も広域化しつつある。重要食用貝類の毒化は、水産業の発展を阻止することから、近い将来に、毒化予防対策が打ちたてられる必要があろう。この総説では、水産科学および食品衛生の面から、最近のマリントキシン研究のハイライトを中心に紹介したい。

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