著者
カングスワン アタヤ 野口 玉雄 荒川 修 清水 潮 塚本 久美子 志田 保夫 橋本 周久
出版者
公益社団法人 日本水産学会
雑誌
日本水産学会誌 (ISSN:00215392)
巻号頁・発行日
vol.54, no.10, pp.1799-1802, 1988-10-25 (Released:2008-02-29)
参考文献数
11
被引用文献数
6 11

Attempts were made to detect tetrodotoxin (TTX)-producing bacteria in the Thai horseshoe crab Carcinoscorpius rotundicauda, one of TTX-containing marine invertebrates. Thirteen dom-inant bacteria were isolated from the intestinal contents of live horseshoe crab specimens, and were cultured in a 2 × ORI medium at 20°C for 24h. Bacterial cells of each strain were harvested, ultrasonicated and ultrafiltered, and TTX and anh-TTX fractions were separated from the filtrate by Bio-Gel P-2 column chromatography. HPLC, UV and GC-MS analyses showed that all out of the 13 strains isolated produced anh-TTX, and one strain produced TTX and anh-TTX. The strain which produced both toxins was identified as Vibrio alginolyticus on the basis of biochemical and other characters.
著者
谷山 茂人 相良 剛史 西尾 幸郎 黒木 亮一 浅川 学 野口 玉雄 山崎 脩平 高谷 智裕 荒川 修
出版者
[日本食品衛生学会]
雑誌
食品衛生学雑誌 (ISSN:00156426)
巻号頁・発行日
vol.50, no.5, pp.270-277, 2009
被引用文献数
12

1990年~2008年に,長崎県,宮崎県,三重県および鹿児島県でハコフグ類の喫食による食中毒が9件発生し,13 名が中毒, うち 1 名が死亡した. このうち 2 件の原因魚種は,中毒検体の形態からハコフグ<i>Ostracion immaculatus</i> と断定された.患者は共通して横紋筋融解症を呈するなど,本中毒の症状や発症/回復/致死時間はアオブダイ中毒に酷似していた.一方,西日本沿岸で採取したハコフグ129個体とウミスズメ<i>Lactoria diaphana</i> 18個体につき,マウス試験で毒性を調べたところ,いずれも約4割の個体が急性もしくは遅延性の致死活性(0.5~2.0 MU/g)を示した.有毒個体の出現率は,両種ともに肝臓を除く内臓で最も高く,次いで筋肉,肝臓の順であった.
著者
西念 幸江 小澤 啓子 生方 恵梨子 峯木 真知子 野口 玉雄
出版者
日本調理科学会
巻号頁・発行日
pp.2048-2048, 2009 (Released:2009-08-28)

【目的】無毒化されたトラフグの肝臓(フグ肝)について,食料資源としての可能性および価値を検討してきた.ゆでたフグ肝を用いた官能検査では,その色,匂い,脂っぽさの点から,高い評価は得られなかった.そこで,料理を調製して,官能評価および組織観察より食味特性を調べた. 【方法】フグ肝は,佐賀県唐津市呼子にある(株)萬坊で室内水槽(100t)により,養殖されているトラフグ2年魚から腑分けされたものを試料とした(2009年1月).このフグ肝は食品衛生検査指針・理化学編中のフグ毒検査法に準じて,フグ毒を抽出し,マウス毒性試験を行い,毒性がすべて認められなかったことを確認した.その後,-50℃で冷凍保存し、使用時に流水で解凍し,血抜後,酒水,長葱および生姜の中に浸漬した(5℃、3時間)後、6種の調理法による料理を調製した(刺身、味噌汁、蒸し物、西京焼き、照り焼き、天ぷら). フグ肝の調理による重量変化を求めた。フグ肝の下処理については,円卓法による官能評価で検討した.各料理は,5段階評点識別試験と嗜好試験(1-5点)を行った.調理されたフグ肝の試料は卓上型電子顕微鏡(TM-1000,(株)日立ハイテクノロジーズ)で観察した. 【結果】重量減少率は、味噌汁および蒸し物で大きかった。フグ肝料理の分析型官能評価では, 匂いの強さが平均2.5点でやや弱く,香りのよさは平均3.8点でややよく、油っぽさについては,2.5-4.0点の範囲であった。嗜好型官能評価では,いずれの料理も,「料理としての好ましさ」の評点が3.5以上で高かった.組織観察では、調理法による脂肪の違いが観察された。
著者
宮澤 啓輔 浅川 学 野口 玉雄
出版者
Japanese Society for Food Hygiene and Safety
雑誌
食品衛生学雑誌 (ISSN:00156426)
巻号頁・発行日
vol.36, no.1, pp.35-41_1, 1995

麻痺性貝毒により毒化したカキの食品としての有効利用を図るため, 毒性が30MU/9程度のむき身を原料として現行の加工処理による減毒試験を行った. 各処理段階の毒性と毒組成をマウス生物試験とHPLCにより測定した. 燻煙油漬け缶詰と水煮缶詰製品では, HPLCにより毒性成分の一部が検出されたが, 残存毒性はすべて2.5MU/g以下と規制値を越えることはなかった. オイスターソースでは原料 (解凍液と缶詰製造時の煮沸液, 2~4MU/g) の毒性の約90%が消失し, マウス生物試験法では不検出となった. 乾燥カキでは規制値以上の毒性 (7MU/g) があった. 缶詰とオイスターソース製造では加熱条件を十分に考慮すれば食品としての利用が可能であると考えられた.
著者
谷山 茂人 相良 剛史 西尾 幸郎 黒木 亮一 浅川 学 野口 玉雄 山崎 脩平 高谷 智裕 荒川 修
出版者
公益社団法人 日本食品衛生学会
雑誌
食品衛生学雑誌 (ISSN:00156426)
巻号頁・発行日
vol.50, no.5, pp.270-277, 2009-10-25 (Released:2009-11-07)
参考文献数
29
被引用文献数
7 12

1990年~2008年に,長崎県,宮崎県,三重県および鹿児島県でハコフグ類の喫食による食中毒が9件発生し,13 名が中毒, うち 1 名が死亡した. このうち 2 件の原因魚種は,中毒検体の形態からハコフグOstracion immaculatus と断定された.患者は共通して横紋筋融解症を呈するなど,本中毒の症状や発症/回復/致死時間はアオブダイ中毒に酷似していた.一方,西日本沿岸で採取したハコフグ129個体とウミスズメLactoria diaphana 18個体につき,マウス試験で毒性を調べたところ,いずれも約4割の個体が急性もしくは遅延性の致死活性(0.5~2.0 MU/g)を示した.有毒個体の出現率は,両種ともに肝臓を除く内臓で最も高く,次いで筋肉,肝臓の順であった.
著者
Attaya Kungsuwan 長島 裕二 野口 玉雄 志田 保夫 Sunee Suvapeepan Panthip Suwansakornkul 橋本 周久
出版者
公益社団法人 日本水産学会
雑誌
日本水産学会誌 (ISSN:00215392)
巻号頁・発行日
vol.53, no.2, pp.261-266, 1987 (Released:2008-02-29)
参考文献数
14
被引用文献数
30 45

Further attempts were made to identify the toxins of the horseshoe crab Carcinoscorpius rotundicauda which causes sporadically food poisonings in Thailand. Toxic C. rotundicauda eggs were crushed and extracted with water repeatedly. After being defatted with dichloromethane, the combined extracts were ultrafiltered to cut off more than 1, 000 dalton-substances. Toxic fractions were obtained from the filtrate by column chromatography on Bio-Gel P-2 and Bio-Rex 70. Cellulose acetate strip electrophoresis, TLC, HPLC, and other instrumental analyses demon-strated that the horseshoe crab toxin was essentially composed of tetrodotoxin and related sub-stances, along with paralytic shellfish poisons as minor components.
著者
渕 祐一 野口 玉雄 斉藤 俊郎 森崎 澄江 仲摩 聡 嶋崎 晃次 林 薫 大友 信也 橋本 周久
出版者
公益社団法人 日本食品衛生学会
雑誌
食品衛生学雑誌 (ISSN:00156426)
巻号頁・発行日
vol.29, no.5, pp.320-324_1, 1988-10-05 (Released:2009-12-11)
参考文献数
9
被引用文献数
2 1

大分県地方のフグ料理専門店に伝えられていた, フグ肝臓の独特な調理方法による減毒機構について検討した. マウス試験及びHPLC, TLC, 電気泳動の結果から, 調理方法による減毒は, 手揉み工程ではフグ毒の溶出除去によること, また煮沸工程では加熱によって有毒肝臓中のテトロドトキシンがアンヒドロテトロドトキシン, さらにテトロドン酸へと順次構造変化を起こし, これに伴い毒性が弱毒性, 無毒性へと転換変化する現象に基づくことが明らかにされた. さらに, この煮沸工程での減毒には溶出による除去機構も関与していることが示唆された.
著者
野口 玉雄 高谷 智裕 荒川 修
出版者
[日本食品衛生学会]
雑誌
食品衛生学雑誌 = Journal of the Food Hygienics Society of Japan (ISSN:00156426)
巻号頁・発行日
vol.45, no.3, pp.146-149, 2004-06-25
被引用文献数
5 11

1990年から2003年にかけて,日本各地の囲い養殖(網生簀養殖,陸上養殖)場から養殖トラフグ計4,515尾を採取し,肝臓,ならびに一部の個体については筋肉,皮,内臓,生殖巣などの毒性を調査した.食品衛生検査指針・理化学編のフグ毒検査法に準じてマウス毒性試験を行ったところ,いずれの検体からも全く毒性は検出されなかった.また,一部の肝臓につき,フグ毒(tetrodotoxin, TTX)〔(M+H)<sup>+</sup>=<i>m/z</i> 320〕を対象として液体クロマトグラフィー質量分析(LC/MS)を行ったが,いずれの個体からもTTXは検出されなかった(0.1 MU/g未満).この結果,囲い養殖で無毒の餌を用いて飼育された養殖トラフグは無毒であることがわかった.
著者
野口 玉雄 橋本 周久
出版者
公益社団法人 日本農芸化学会
雑誌
化学と生物 (ISSN:0453073X)
巻号頁・発行日
vol.25, no.1, pp.44-52, 1987-01-25 (Released:2009-05-25)
参考文献数
23
被引用文献数
1 1 2
著者
Mohosena Begum TANU 野口 玉雄
出版者
公益社団法人 日本食品衛生学会
雑誌
食品衛生学雑誌 (ISSN:00156426)
巻号頁・発行日
vol.40, no.6, pp.426-430_1, 1999-12-05 (Released:2009-12-11)
参考文献数
15
被引用文献数
9 21

1998年12月にバングラデシュで採集されたカブトガニ Carcinoscorpius rotundicauda の毒性とその毒成分を調べた. 卵巣, 精巣, 内臓に毒性が認められたが, その毒力はすべて10MU/g以下であった (卵巣において最高値7.4MU/g). 抽出した毒を限外ろ過並びに活性炭, Bio-Gel P-2, Bio-Rex70のクロマトグラフィーにより精製した. 部分精製毒をHPLC, TLC, 電気泳動, 1H-NMRで分析した結果, カブトガニの毒はテトロドトキシン (TTX) であることが明らかになった. これはバングラデシュ産カブトガニの毒性及び毒成分に関する初めての報告である.
著者
野口 玉雄
出版者
公益社団法人日本水産学会
雑誌
日本水産学会誌 (ISSN:00215392)
巻号頁・発行日
vol.68, no.6, pp.928-929, 2002-11-15

フグ毒の研究は,1960年代の前半まではフグ毒(tetrodotoxin,TTX)構造の解明に終始した。1964年には,有機化学者の英知を集めた国際天然物会議において3つのグループからTTXに対して同一の絶対構造が提案され,この問題は一段落した。その際にMosher教授によるカリフォルニアイモリからTTXが検出された発表があり,TTXがフグの占有物である神話が崩れた。その後,日本で起きた魚介類自然毒による中毒に際して,いくつかの中毒原因物質がTTXと同定され,TTXの生物界における分布が広かった。これに伴って,これまで神秘と思われていたフグの毒化機構に食物連鎖が浮上するとともに,TTXの生体内における存在形態も論議されるようになった。さらに,抗TTXモノクローナル抗体の開発により,これに関する活発な研究が行われている。これら,最近の発展の著しいTTX研究のハイライトを紹介するとともに,これまでの研究を統括して,将来的なTTX研究の展望を述べたい。
著者
野口 玉雄
出版者
日本水産學會
巻号頁・発行日
vol.69, no.6, pp.895-909, 2003 (Released:2011-03-05)

マリントキシン(魚介毒)は、魚介類がもつ自然毒で魚介類の食中毒の原因となっている。主なものとして、フグ毒(テトロドトキシン、X)、麻痺性貝毒(PSP)、シガテラ毒、下痢性貝毒(DSP)、“アオブダイ毒””(palyoxin(PX)またはPX様物質)などがある。最近のマリントキシン研究の進歩により、これらの毒の動物界における分布が広いことが分かり、それに伴い多くのマリントキシンの来源が微細生物に端を発した食物連鎖により毒化することが明らかとなった。また地球環境の変化に伴い、毒化生物の分布が広くなり、食中毒も広域化しつつある。重要食用貝類の毒化は、水産業の発展を阻止することから、近い将来に、毒化予防対策が打ちたてられる必要があろう。この総説では、水産科学および食品衛生の面から、最近のマリントキシン研究のハイライトを中心に紹介したい。
著者
長島 裕二 丸山 純一 野口 玉雄 橋本 周久
出版者
日本水産學會
雑誌
日本水産学会誌 (ISSN:00215392)
巻号頁・発行日
vol.53, no.5, pp.819-823, 1987
被引用文献数
28 94

An ion-pairing high performance liquid chromatographic method using a silica ODS columnwas developed for analysis of paralytic shellfish poison (PSP) and tetrodotoxi (TTX). As mobile phase is used a mixture of 0.05<sub>M</sub> phosphate buffer (pH 7.0) containing 2 m<sub>M</sub> heptanesulfonicacid/methanol (99:1) for separation of gonyautoxins and TTXs, and the one (75:25) for separa-tion of saxitoxins. PSP and TTX members thus separated were detected as fluorogenic sub-stances, by heating with a periodate reagent (for PSP), or with 3<sub>N</sub> NaOH (for TTX).
著者
谷口 香織 高尾 秀樹 新名 真也 山中 祐二 岡田 幸長 中島 梨花 王 俊杰 辰野 竜平 阪倉 良孝 高谷 智裕 荒川 修 野口 玉雄
出版者
公益社団法人 日本食品衛生学会
雑誌
食品衛生学雑誌 (ISSN:00156426)
巻号頁・発行日
vol.54, no.4, pp.277-281, 2013-08-25 (Released:2013-09-12)
参考文献数
13

トラフグ肝臓につき,滑らかな面を表側,肝門脈との結合部を上部として10分割し,マウス毒性試験で各部位の毒力を測定したところ,生肝臓58個体中16個体と凍結肝臓13個体中9個体ですべての部位が毒性を示した.毒の主体はテトロドトキシンであった.これらにつき,個体の平均毒力に対する各部位の相対毒力を求めて二元配置分散分析を行ったところ,凍結肝臓では毒の分布に有意な偏りは見られなかったが,生肝臓では右側中央下寄りの毒性が有意に高いことが分かった.肝臓の毒性評価に際しては,本部位を用いた個別検査の実施が望ましいと判断した.