著者
川之辺 素一 沢本 良宏 山本 聡
出版者
長野県水産試験場
巻号頁・発行日
no.7, pp.10-15, 2005 (Released:2011-03-05)

1.アユの冷水病対策として、千曲川では冷水病菌を保菌していない種苗を上流、保菌している種苗を下流へ放流することにより、上流で高い放流効果が得られた。さらに、冷水病菌を保菌していない種苗のみを放流することにより水域全域で高い放流効果が得られた。2.千曲川では過去に冷水病が発生した水域でも、アユ種苗放流前の在来魚から冷水病菌は確認されず、前年に発生した冷水病菌が次年に持ち越される可能性は少ないと考えられた。3.冷水病菌を保菌していない種苗を放流した水域でも、解禁前後に冷水病菌が確認され、オトリアユの持込に由来する感染が疑われた。今後は解禁前後またはそれ以降に発生する冷水病の対策や、発生しても漁獲を維持できるような増殖手法を確立することが課題となる。4.成魚放流はCPUEを上げるための有効な手段であることがわかった。

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