著者
沢本 良宏 傳田 郁夫 小原 昌和
出版者
長野県水産試験場
巻号頁・発行日
no.7, pp.1-9, 2005 (Released:2011-03-05)

1.ニジマス四倍体雌とイワナ、カワマス、ブラウントラウトおよびヤマメ雄との交配により異質三倍体を作出できた。2.異質三倍体の染色体数、相対DNA量は両親から推定される期待値と近似していた。また、両親の遺伝子が導入されていることが確認された。3.異質三倍体雄は二次性徴を示し、成熟に伴う生残率低下、成長停滞を示した。4.ニジニジブラの成長・生残は全雌ニジマス三倍体と同等以上であった。5.異質三倍体の外観は必ずしも両親の中間的形質を示さなかったが、ニジニジブラは全雌化により実用可能と考えられた。6.交配で作出されたニジニジブラはIHNVに対してニジマスより抗病性が増した。7.全雌ニジニジブラは新しい養殖品種として期待される。
著者
沢本 良宏 傳田 郁夫 小原 昌和 細江 昭 河野 成実 降幡 充
出版者
長野県水産試験場
雑誌
長野県水産試験場研究報告 (ISSN:02893045)
巻号頁・発行日
no.7, pp.1-9, 2005-03

1.ニジマス四倍体雌とイワナ、カワマス、ブラウントラウトおよびヤマメ雄との交配により異質三倍体を作出できた。2.異質三倍体の染色体数、相対DNA量は両親から推定される期待値と近似していた。また、両親の遺伝子が導入されていることが確認された。3.異質三倍体雄は二次性徴を示し、成熟に伴う生残率低下、成長停滞を示した。4.ニジニジブラの成長・生残は全雌ニジマス三倍体と同等以上であった。5.異質三倍体の外観は必ずしも両親の中間的形質を示さなかったが、ニジニジブラは全雌化により実用可能と考えられた。6.交配で作出されたニジニジブラはIHNVに対してニジマスより抗病性が増した。7.全雌ニジニジブラは新しい養殖品種として期待される。
著者
熊川 真二
出版者
長野県水産試験場
雑誌
長野県水産試験場研究報告 (ISSN:02893045)
巻号頁・発行日
no.10, pp.7-16, 2008-03

1.魚食性鳥獣類の消化管内に残る未消化の魚類組織断片の計測値から被食魚類の体長、体重を推定する換算式を、コイ科魚類のウグイとフナ、サケ科魚類のヤマメ、並びにサンフィッシュ科魚類のコクチバスとオオクチバスの5魚種について作成した。2.未消化の魚類組織としては、胃の中での保存状態の良かった咽頭骨、主上顎骨、前上顎骨、歯骨、腹椎骨、鱗及び水晶体の7組織を用いた。3.コイ科魚類のウグイとフナでは咽頭骨からの種判別が有効で、咽頭骨長(X1)を計測して以下の換算式(Y1)に当てはめることで、精度の高い体長推定が可能である。ウグイ:Y1=12.0787 X1(1.031)、フナ:Y1=8.0480 X1(1.034)。4.サケ科魚類のヤマメでは主上顎骨長(X1)または歯骨長(X2)を計測して以下の換算式(Y1、Y2)に当てはめることで、精度の高い体長推定が可能である。ヤマメ:Y1=6.3762 X1(1.118)、Y2=9.7287 X2(1.004)。5.サンフィッシュ科のオオクチバスでは歯骨長(X2)、歯骨高(X3)、または前上顎骨長(X1)を計測して以下の換算式(Y1、Y2、Y3)に当てはめることで、精度の高い体長推定が可能である。コクチバスではオオクチバスに比べて精度は劣ったが、同じ方法で推定が可能である。コクチバス:Y1=7.2434 X1(1.096)、Y2=6.2613 X2(1.098)、Y3=21.2888 X3(1.012)。オオクチバス:Y1=9.3816 X1(0.934)、Y2=9.0824 X2(0.922)、Y3=24.8787 X3(0.889)。6.体重の推定精度はすべての魚種で体長の推定精度に比較して低かったが、ウグイ及びフナでは咽頭骨長(X1)、ヤマメでは主上顎骨長(X1)、コクチバス及びオオクチバスでは歯骨高(X3)などを用いることで比較的精度の高い推定が可能である。
著者
川之辺 素一 山本 聡
出版者
長野県水産試験場
雑誌
長野県水産試験場研究報告 (ISSN:02893045)
巻号頁・発行日
no.8, pp.11-14, 2006-03

1.千曲川上流域の本支流で水温上昇と河畔植生との関係を明らかにするため、カバー占有率と温度勾配の関係を調査した。2.実際の温度勾配Aと各河川が仮に開空状態になった場合の温度勾配Bを推定し、昇温抑制係数(A/B)を求めたところ、カバー占右率が高いと昇温抑制係数が小さくなり、河川水温の上昇が抑制されている傾向が認められた。3.カバー占有率が低い易合、昇温抑制係数のばらつきが大きく、河畔植生の昇温抑制効果だけでは補いきれず、イワナ等にとって危険な水温となる可能性があると考えられた。4.河川管理の面から階層について考えた場合、河川の撹乱に対してより安定している高木層によるカバーを保全することが適切と考えられる。
著者
川之辺 素一 山本 聡
出版者
長野県水産試験場
巻号頁・発行日
no.8, pp.11-14, 2006 (Released:2011-03-05)

1.千曲川上流域の本支流で水温上昇と河畔植生との関係を明らかにするため、カバー占有率と温度勾配の関係を調査した。2.実際の温度勾配Aと各河川が仮に開空状態になった場合の温度勾配Bを推定し、昇温抑制係数(A/B)を求めたところ、カバー占右率が高いと昇温抑制係数が小さくなり、河川水温の上昇が抑制されている傾向が認められた。3.カバー占有率が低い易合、昇温抑制係数のばらつきが大きく、河畔植生の昇温抑制効果だけでは補いきれず、イワナ等にとって危険な水温となる可能性があると考えられた。4.河川管理の面から階層について考えた場合、河川の撹乱に対してより安定している高木層によるカバーを保全することが適切と考えられる。
著者
小松 典彦 茂木 昌行 小原 昌和
出版者
長野県水産試験場
巻号頁・発行日
no.17, pp.1-6, 2017 (Released:2017-06-26)

1 茶に含まれるカテキン類に着目し、市販茶系飲料によるシナノユキマスの受精卵の粘着性除去方法を開発した。2 煎茶葉、紅茶葉の浸出液および市販のペットボトル入り茶系飲料3種(ヘルシア緑茶、カテキン緑茶および黒烏龍茶)を用いて、卵の粘着性除去効果を調べた結果、カテキン緑茶が最も有用であった。3 カテキン緑茶の粘着性除去における用法・用量を検討した結果、カテキン緑茶原液を使用し、浸漬時間を5分、処理卵数を1万粒/350mL、8回まで反復使用する方法が最も実用的であった。4 業務規模の大量処理を行ったところ、3の用法・用量が業務規模においても妥当であることと受精卵に対する安全性に問題がないことが確認できた。5 カテキン緑茶を用いた場合の一採卵期あたりの費用は約1.6万円であった。
著者
川之辺 素一 沢本 良宏 山本 聡
出版者
長野県水産試験場
巻号頁・発行日
no.7, pp.10-15, 2005 (Released:2011-03-05)

1.アユの冷水病対策として、千曲川では冷水病菌を保菌していない種苗を上流、保菌している種苗を下流へ放流することにより、上流で高い放流効果が得られた。さらに、冷水病菌を保菌していない種苗のみを放流することにより水域全域で高い放流効果が得られた。2.千曲川では過去に冷水病が発生した水域でも、アユ種苗放流前の在来魚から冷水病菌は確認されず、前年に発生した冷水病菌が次年に持ち越される可能性は少ないと考えられた。3.冷水病菌を保菌していない種苗を放流した水域でも、解禁前後に冷水病菌が確認され、オトリアユの持込に由来する感染が疑われた。今後は解禁前後またはそれ以降に発生する冷水病の対策や、発生しても漁獲を維持できるような増殖手法を確立することが課題となる。4.成魚放流はCPUEを上げるための有効な手段であることがわかった。
出版者
長野県水産試験場
雑誌
長野県水産試験場研究報告 (ISSN:02893045)
巻号頁・発行日
no.7, pp.1-9, 2005-03

1.ニジマス四倍体雌とイワナ、カワマス、ブラウントラウトおよびヤマメ雄との交配により異質三倍体を作出できた。2.異質三倍体の染色体数、相対DNA量は両親から推定される期待値と近似していた。また、両親の遺伝子が導入されていることが確認された。3.異質三倍体雄は二次性徴を示し、成熟に伴う生残率低下、成長停滞を示した。4.ニジニジブラの成長・生残は全雌ニジマス三倍体と同等以上であった。5.異質三倍体の外観は必ずしも両親の中間的形質を示さなかったが、ニジニジブラは全雌化により実用可能と考えられた。6.交配で作出されたニジニジブラはIHNVに対してニジマスより抗病性が増した。7.全雌ニジニジブラは新しい養殖品種として期待される。