著者
関 伸一
出版者
森林総合研究所
巻号頁・発行日
vol.9, no.4, pp.193-205, 2010 (Released:2012-12-03)

東シナ海北東部の男女群島でそれぞれ異なる季節に5回の鳥類調査を行って観察種を記載するとともに、これまで文献に記載されている記録の整理を行い、男女群島における鳥類の観察記録をリストとしてとりまとめた。現地調査では75種が観察され、これまでの記録と併せて179種となった。このうち確実な繁殖記録があるのは6種のみで、繁殖している可能性のある種を含めても18種であった。男女群島は、他の地域とは地理的に隔離されていることに加えて面積が限られているために、島嶼環境に適応したアカヒゲ、ウチヤマセンニュウなどの種が分布する一方で、ウグイスやカワラヒワなど面積の大きな島では広域的に分布する種の一部が欠落し、単純で特異な繁殖鳥類群集が生じたと推測される。 渡り鳥については、個体数に関する記録が少ないため、渡りの中継地としてのこの地域の重要牲を評価することは困難であった。しかし、春期の調査において高い割合で記録される渡り鳥があり、これらの種では男女群島を経由する渡りのルートを利用する個体が恒常的に存在すると推測された。

言及状況

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@TetYahara 捕食圧の強弱でいえばそうかもしれません。ただ種数で見る限りでは猛禽相は豊かなようですね https://t.co/SP6RN6toUO

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