著者
下野 義人 広井 勝 高松 進
出版者
三重大学大学院生物資源学研究科
巻号頁・発行日
no.40, pp.65-75, 2014 (Released:2014-11-21)

リボソームDNA 28S領域(LSU rDNA)および5.8Sを含むITS領域の塩基配列に基づいて、ベニタケ属クロハツ節の分子系統解析を行った。外群を含めて28S領域の解析には42個、ITS領域では49個のシークエンスを用いた。最節約法(MP)に基づく、リボゾームDNAの28S領域の解析では、クロハツ節は大きな3群(group A-C)に別れた。Group Aはクロハツモドキ(Russula densifolia)とコゲイロハツ(R. adusta)、Group Bはニセクロハツ(R. subnigricans)、Group Cはクロハツ(R. nigricans)で構成された。ITS領域の解析ではGroup Bの単系統を支持しなかった。MPおよび近隣結合法(NJ)ではGroup B-5は今回の研究で用いたすべてのクロハツ節の個体と姉妹群を形成し、Group B-1はGroup Cと同群に属した。これらのことから、クロハツモドキとコゲイロハツを含むGroup Aとクロハツを含むgroup Cはともに単系統であると推測されたが、ニセクロハツ(group B)は単系統ではないと考えられた。コゲイロハツを除くとクロハツモドキの特徴を示す仲間は6小群に別れた。

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