著者
広井 勝
出版者
郡山女子大学
雑誌
紀要 (ISSN:13415840)
巻号頁・発行日
vol.46, pp.41-52, 2010-03
著者
下野 義人 広井 勝 高松 進 下野 義人 広井 勝 高松 進
出版者
三重大学大学院生物資源学研究科
雑誌
三重大学大学院生物資源学研究科紀要
巻号頁・発行日
no.40, pp.65-75, 2014-03

Phylogenetic relationships with in Russula section Compactae were investigated using sequence data from the nuclear-encoded large subunit ribosomal DNA(n-LSU rDNA)and ITS region, including the 5.8 S rDNA. Forty-two sequences of the n-LSU rDNA and forty-nine sequences of the ITS region with outgroups were used in this study. Analysis of the n-LSU rDNA indicated that the Compactae section was divided into three large groups: group A comprised R.densifolia and R.adusta, group B comprised R. subnigricans, and group Ccomprised R. nigricans. The ITS region did not support the monophyly of group B. Subgroup B-5 was sister to all other taxa of the Compactae section in the NJ and MP trees, and subgroup B-1 grouped with group C. Consequently, R. densifolia and R. adusta(group A)and R. nigricans(group C)were considered largely monophyletic, but R. subnigricans(group B)was not monophyletic. Russula densifolia (group A), but not R. adusta, were divided into six different subgroups.リボソームDNA28S領域(LSUrDNA)および5.8Sを含むITS領域の塩基配列に基づいて、ベニタケ属クロハツ節の分子系統解析を行った。外群を含めて28S領域の解析には42個、ITS領域では49個のシークエンスを用いた。最節約法(MP)に基づく、リボゾームDNAの28S領域の解析では、クロハツ節は大きな3群(groupA-C)に別れた。GroupAはクロハツモドキ(Russuladensifolia)とコゲイロハツ(R.adusta)、GroupBはニセクロハツ(R.subnigricans)、GroupCはクロハツ(R.nigricans)で構成された。ITS領域の解析ではGroupBの単系統を支持しなかった。MPおよび近隣結合法(NJ)ではGroupB-5は今回の研究で用いたすべてのクロハツ節の個体と姉妹群を形成し、GroupB-1はGroupCと同群に属した。これらのことから、クロハツモドキとコゲイロハツを含むGroupAとクロハツを含むgroupCはともに単系統であると推測されたが、ニセクロハツ(groupB)は単系統ではないと考えられた。コゲイロハツを除くとクロハツモドキの特徴を示す仲間は6小群に別れた。
著者
広井 勝
出版者
一般社団法人 日本家政学会
雑誌
家政学雑誌 (ISSN:04499069)
巻号頁・発行日
vol.28, no.3, pp.243-246, 1977
被引用文献数
3

キノコ脂質の脂肪酸組成をガスクロマトグラフィーにより測定し, 以下のことを明らかにした.<BR>1) キノコ脂質を構成する脂肪酸は, リノール酸, オレイン酸, パルミチン酸, ステアリン酸が主であり, 特殊なものを除いては脂肪酸の種類は比較的限られている.<BR>2) キノコ脂質を脂肪酸組成の特徴から分けると次の5つのタイプに分類される. (1) リノール酸が主体を占めるタイプ, (2) オレイン酸が主体を占めるタイプ, (3) ステアリン酸含量の多いタイプ, (4) リノレン酸含量の多いタイプ, (5) 特殊な脂肪酸を含むタイプ.<BR>3) 脂肪酸組成の特徴と分類との関連では, 同一傾向を示すもの (テングタケ科) と, 種々のタイプが入り混っているもの (ベニタケ科) があることが示される.
著者
広井 勝
出版者
The Japan Society of Home Economics
雑誌
一般社団法人日本家政学会研究発表要旨集
巻号頁・発行日
pp.173, 2005 (Released:2005-12-08)

【目的】油脂は加熱により変質を生じ易い。そのため油脂の劣化防止は大変重要である。近年、炭の活用の一つに油脂劣化防止効果が報告されている。しかし、炭の劣化防止効果は用いる炭の種類や炭化温度によりその効果が異なることも示されてきている。そこで本研究では、昨年に続き桃の種を炭にしてその効果を竹炭と比較して調べた。桃種を用いたのは、福島県は桃の産地であり消費量も多く、加工の際に大量の種が廃棄されていることから、この種の炭に油脂劣化防止効果が見られれば、資源の有効利用という観点からも重要と考えたからである。【方法】試料油としてキャノーラ油を使用した。実験では温度コントロールの精度の高いホットプレートを用い500mlビーカーに油脂を100gとり、桃種の炭5g(5%相当)を入れ、220℃、250℃で2時間の加熱を行い、油脂の劣化度やトコフェロール(Toc)残存率を調べた。また、同様に60℃の定温器で加熱油脂、未加熱油脂を用い、数週間自動酸化を行い、その劣化防止効果も調べた。同じ条件で竹炭についても実験を行い、その効果を比較した。【結果】(1)桃炭を5%添加し加熱した場合、油脂劣化防止効果が認められたが、竹炭には及ばなかった。(2)自動酸化(60℃)におていは、1週間の放置では桃炭による劣化防止効果は少なく、2週間目より効果が認められた。竹炭では1週間目より効果があり2週間ではその効果が顕著であった。(3)劣化防止効果は竹炭では800℃炭化、桃炭では1000℃炭化のものがすぐれていた。(4)加熱油脂の一部を取り、60℃の定温器に放置した場合でも、桃炭による油脂劣化防止効果が認められたが、竹炭には及ばなかった。
著者
下野 義人 広井 勝 高松 進
出版者
三重大学大学院生物資源学研究科
巻号頁・発行日
no.40, pp.65-75, 2014 (Released:2014-11-21)

リボソームDNA 28S領域(LSU rDNA)および5.8Sを含むITS領域の塩基配列に基づいて、ベニタケ属クロハツ節の分子系統解析を行った。外群を含めて28S領域の解析には42個、ITS領域では49個のシークエンスを用いた。最節約法(MP)に基づく、リボゾームDNAの28S領域の解析では、クロハツ節は大きな3群(group A-C)に別れた。Group Aはクロハツモドキ(Russula densifolia)とコゲイロハツ(R. adusta)、Group Bはニセクロハツ(R. subnigricans)、Group Cはクロハツ(R. nigricans)で構成された。ITS領域の解析ではGroup Bの単系統を支持しなかった。MPおよび近隣結合法(NJ)ではGroup B-5は今回の研究で用いたすべてのクロハツ節の個体と姉妹群を形成し、Group B-1はGroup Cと同群に属した。これらのことから、クロハツモドキとコゲイロハツを含むGroup Aとクロハツを含むgroup Cはともに単系統であると推測されたが、ニセクロハツ(group B)は単系統ではないと考えられた。コゲイロハツを除くとクロハツモドキの特徴を示す仲間は6小群に別れた。
著者
下野 義人 広井 勝 高松 進 下野 義人 広井 勝 高松 進
出版者
三重大学大学院生物資源学研究科
雑誌
三重大学大学院生物資源学研究科紀要
巻号頁・発行日
no.40, pp.65-75, 2014-03

Phylogenetic relationships with in Russula section Compactae were investigated using sequence data from the nuclear-encoded large subunit ribosomal DNA(n-LSU rDNA)and ITS region, including the 5.8 S rDNA. Forty-two sequences of the n-LSU rDNA and forty-nine sequences of the ITS region with outgroups were used in this study. Analysis of the n-LSU rDNA indicated that the Compactae section was divided into three large groups: group A comprised R.densifolia and R.adusta, group B comprised R. subnigricans, and group Ccomprised R. nigricans. The ITS region did not support the monophyly of group B. Subgroup B-5 was sister to all other taxa of the Compactae section in the NJ and MP trees, and subgroup B-1 grouped with group C. Consequently, R. densifolia and R. adusta(group A)and R. nigricans(group C)were considered largely monophyletic, but R. subnigricans(group B)was not monophyletic. Russula densifolia (group A), but not R. adusta, were divided into six different subgroups.リボソームDNA28S領域(LSUrDNA)および5.8Sを含むITS領域の塩基配列に基づいて、ベニタケ属クロハツ節の分子系統解析を行った。外群を含めて28S領域の解析には42個、ITS領域では49個のシークエンスを用いた。最節約法(MP)に基づく、リボゾームDNAの28S領域の解析では、クロハツ節は大きな3群(groupA-C)に別れた。GroupAはクロハツモドキ(Russuladensifolia)とコゲイロハツ(R.adusta)、GroupBはニセクロハツ(R.subnigricans)、GroupCはクロハツ(R.nigricans)で構成された。ITS領域の解析ではGroupBの単系統を支持しなかった。MPおよび近隣結合法(NJ)ではGroupB-5は今回の研究で用いたすべてのクロハツ節の個体と姉妹群を形成し、GroupB-1はGroupCと同群に属した。これらのことから、クロハツモドキとコゲイロハツを含むGroupAとクロハツを含むgroupCはともに単系統であると推測されたが、ニセクロハツ(groupB)は単系統ではないと考えられた。コゲイロハツを除くとクロハツモドキの特徴を示す仲間は6小群に別れた。
著者
下野 義人 広井 勝 上田 俊穂 後藤 康彦 高松 進
出版者
日本菌学会
雑誌
日本菌学会大会講演要旨集 日本菌学会第53回大会
巻号頁・発行日
pp.41, 2009 (Released:2009-10-30)

ニセクロハツには5型がある *下野義人1)・広井勝2) ・上田俊穂3) ・後藤康彦4) ・高松進5)(1)大阪府立香里丘高;2)郡山女子大;3)長岡京市;4)我孫子市;5)三重大生資) Russula subnigricans consists of the five genetic species, by *Y.Shimono1), M.Hiroi2), T.Ueda3), Y.Goto4), S.Takamatsu5)(1)Kourigaoka H. S.; 2) Koriyama Women’s col.; 3) Nagaokakyou City; 4) Abiko City; 5) Mie Univ.) ニセクロハツは子実体に触れたり,傷つけたり,あるいは子実体を切断すると,その部分が赤変したままで,クロハツやクロハツモドキのように赤変後,黒変しないきのこである.リボソームDNAの28SおよびITS領域に基づいたクロハツ節の解析結果から,クロハツは3型に,クロハツモドキは9型に,ニセクロハツは5型にそれぞれ分かれた.ここではニセクロハツの分子系統解析の結果,子実体の巨視的な形態的特徴・顕微鏡的な特徴に関して,報告する. 28Sを用いた分子系統解析ではニセクロハツは大きなグループを作り,遺伝的に異なった5群(型)に分かれた.しかし,ITS領域の解析ではニセクロハツの3型(B-2,B-3,B-4)は同一群に属したが,それ以外の2型(B-1,B-5)は3型と同じ群に属さなかった.タイプ標本を含むB-1はクロハツと同じ群を形成した. 子実体の巨視的な形態観察ではヒダが細かくて柄が長いB-2,ヒダの赤変性が強いB-3など,型間に違いが見られた.顕微鏡的な特徴では胞子の表面構造やカサの表皮の状態が,タイプ標本を含むB-1とB-3との間で明らかに異なった. 以上のことから,分子系統解析で得られた5型間に子実体の巨視的な,あるいは顕微鏡的な特徴の違いが見られたので,B-2やB-3はニセクロハツの別種か,あるいは変種と考えることができる.