著者
大谷 忠 八谷 絢 Luvsansharav B.
出版者
東京農業大学
巻号頁・発行日
vol.49, no.3, pp.90-97, 2004 (Released:2011-03-05)

本調査は、1998年から2000年にわたる3年間において、ウランバートル郊外とこれより約400km先の北部、東部などの地域における草地の生育状態と家畜の飼育状況について調査し、近年のモンゴル遊牧民の放牧方法と家畜生産を探った。その結果、社会主義体制時代までの遊牧民は放牧家畜の扱い方において、経験的調節と優れた視力などによる伝統的放牧方法で継承し、安定した家畜生産を行っていたと思われるが、市場経済体制の転換により、自由な放牧利用の過放牧が草原の牧養力を低下させ、冬季6-7ヵ月間で飼育家畜の体重が激減し、さらに旱魃、雪害が加わるとこれまでにない多くの家畜を斃死させていることが判明した。したがって今後は小麦の麦稈サイレージの調製、備蓄草地の適正利用方法とこれらの運搬に伴う道路整備、通信方法などのインフラの開発を行い、モンゴル全地域における冬季の飼料確保を検討する必要があると思われた。

言及状況

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モンゴル国遊牧民の草原利用と家畜生産 https://t.co/S81fKVZ1sO やっぱり視力はいいんだ

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