著者
岡部 貴美子
出版者
森林総合研究所
巻号頁・発行日
vol.5, no.2, pp.119-133, 2006 (Released:2011-03-05)

我が国のきのこ栽培において被害を発生させた、あるいは発生させる可能性のある分類群を中心に、きのこ食の節足動物(ダニ、トビムシ、昆虫)についてレビューした。昆虫は、ダニやセンチュウなどほかの小動物に比べて飛翔等による移動能力が高いことから、それらの移動分散を助ける便乗寄主としての役割も担っている。害虫の防除に際しては、このような昆虫の機能にも留意すべきことが明らかになった。また、年々栽培種が増加している現状では、野生きのこを摂食する生物も潜在的な害虫としてあるいは害虫防除のヒントとなる生態を持つものとして考慮する必要がある。このような観点から、海外のきのこ栽培で害虫化している種や、注目すべき生態を持った食菌性の節足動物についてもレビューした。その結果、ほとんどの種類のきのこを摂食し、増殖率が高い種の多いハエ類は、重要害虫でありながら防除も困難であることが改めて明らかとなった。

言及状況

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こぶ表面にいるのはたぶん菌食性のハエ目幼虫だと思います。きのこ栽培で問題となるタマバエやキノコバエ類が候補でしょうか。もち病菌もきのこも同じ担子菌類ですので。今回はもち病のように黒変・ミイラしないこぶだったため、幼虫も多数寄生していたものと推測しています。https://t.co/nGcZ5aZxch

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