著者
廣政 幸生 中川 奈緒子
出版者
明治大学農学部
巻号頁・発行日
vol.61, no.2, pp.43-53, 2011 (Released:2012-12-03)

本稿の課題は消費者が食品の安心をどのように捉えているかを明らかにすることである。課題は、第1に、社会心理学の概念、理論を援用し、山岸が規定する安心、信頼に関するキーワードを基に安心の概念整理を行い、食品における安心の構成要素を検討し構成要素がどう安心に繋がるのかを明らかにすること、第2に、食品に対する安心の評価と構成を実証的に検討することである。安心に概念を整理し、その要素を検討すると、安心は、「信頼」と「漠然とした安心感」の2つの要素から形成され、その下位要素として、「信頼」は「表示」、「情報」、「コミットメント」。「漠然とした安心感」は「経験」、「イメージ」の5要素から構成される。消費者アンケートの結果より、安心と評価する食品を安心だと思う理由として圧倒的なのは「国産品」であること、次いで、「食品表示」であった。クラスター分析の結果から、「表示」、「情報」、「コミットメント」は同じクラスターを形成し、「経験」、「イメージ」は別のクラスターを形成しており、仮説の安心の構造図は妥当である。また、野菜における安心の構造は性別によって異なっていることが明らかとなった。

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@tousen81 そこら辺の解釈を試みた報告があります。延長線上ではないですが、同じグループの判断基準だと言う解釈でした。 というか「国産」ってのは何より強い差別性みたいですね。有機信者でも、中国産の有機より国産の慣行を選ぶ、って人多そう… https://t.co/ioziAsI6zD

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