著者
長尾 真弓 廣政 幸生 井上 賢哉
出版者
日本フードシステム学会
雑誌
フードシステム研究 (ISSN:13410296)
巻号頁・発行日
vol.29, no.4, pp.219-224, 2023 (Released:2023-03-23)
参考文献数
13

The purpose of this study was to clarify the actual status of game meat consumption and consumption intentions in urban restaurants, and to examine measures to increase consumption. The implications of the analysis are as follows. 1.Game meat served at casual restaurants tend to be a low evaluation. Cooking techniques and menu development will be important. 2. Potential consumers are consumers with a strong desire to explore food and a strong sense of meat-loving, but at present, concerns about sanitation are having a negative impact on the expansion of consumption. Therefore, providing information from restaurants to consumers about safety between is important.
著者
大江 靖雄 栗原 伸一 霜浦 森平 宮崎 猛 廣政 幸生
出版者
千葉大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2004

本研究課題では、都市農村交流時代における新たな農業と農村の役割として近年注目を集めている農業の教育機能について、理論的な整理と実証的な評価を加えて、今後の増進の方向性についての展望を得ることを目的に研究を実施してきた。主要な分析結果については以下のとおりである。1)農業の教育機能は、正の外部性を有する農業の多面的機能の一つの機能で、その外部性が環境ではなく人間を対象としている点に、特徴がある。2)定年帰農者の事例分析から、農業の教育機能は、近代的な最先端技術よりも、伝統的な技術の方が、教育的な機能が大きいことを明らかにした。この点で、高齢者や退職者帰農者などの活躍の場を農業の教育機能の提供者として創出できる余地がある。3)その経済性について実証的な評価を行った結果、正の外部性については、十分な回収がされておらず農家の経営活動として内部化は十分されておらず、農業の教育サービスの自律的な市場としてはまだ十分成長してないことを、計量的に明らかたした。4)酪農教育ファームについての分析結果から、多角化の程度と体験サービスの提供とはU字型の関係を有していることを、実証的に明らかにした。その理由として、技術的結合性、制度的結合性が作用していること、特に制度的な結合性の役割が大きいことを明らかにした。5)農業の教育機能については、今後とも社会的なニーズが高まることが予想されるので、農業経営の新たな一部門として位置づけて、有効な育成支援策を講じることが重要である。
著者
廣政 幸生 中川 奈緒子
出版者
明治大学農学部
巻号頁・発行日
vol.61, no.2, pp.43-53, 2011 (Released:2012-12-03)

本稿の課題は消費者が食品の安心をどのように捉えているかを明らかにすることである。課題は、第1に、社会心理学の概念、理論を援用し、山岸が規定する安心、信頼に関するキーワードを基に安心の概念整理を行い、食品における安心の構成要素を検討し構成要素がどう安心に繋がるのかを明らかにすること、第2に、食品に対する安心の評価と構成を実証的に検討することである。安心に概念を整理し、その要素を検討すると、安心は、「信頼」と「漠然とした安心感」の2つの要素から形成され、その下位要素として、「信頼」は「表示」、「情報」、「コミットメント」。「漠然とした安心感」は「経験」、「イメージ」の5要素から構成される。消費者アンケートの結果より、安心と評価する食品を安心だと思う理由として圧倒的なのは「国産品」であること、次いで、「食品表示」であった。クラスター分析の結果から、「表示」、「情報」、「コミットメント」は同じクラスターを形成し、「経験」、「イメージ」は別のクラスターを形成しており、仮説の安心の構造図は妥当である。また、野菜における安心の構造は性別によって異なっていることが明らかとなった。
著者
廣政 幸生 中川(川手) 奈緒子
出版者
明治大学農学部
雑誌
明治大学農学部研究報告 (ISSN:04656083)
巻号頁・発行日
vol.61, no.2, pp.43-53, 2011-12

本稿の課題は消費者が食品の安心をどのように捉えているかを明らかにすることである。課題は、第1に、社会心理学の概念、理論を援用し、山岸が規定する安心、信頼に関するキーワードを基に安心の概念整理を行い、食品における安心の構成要素を検討し構成要素がどう安心に繋がるのかを明らかにすること、第2に、食品に対する安心の評価と構成を実証的に検討することである。安心に概念を整理し、その要素を検討すると、安心は、「信頼」と「漠然とした安心感」の2つの要素から形成され、その下位要素として、「信頼」は「表示」、「情報」、「コミットメント」。「漠然とした安心感」は「経験」、「イメージ」の5要素から構成される。消費者アンケートの結果より、安心と評価する食品を安心だと思う理由として圧倒的なのは「国産品」であること、次いで、「食品表示」であった。クラスター分析の結果から、「表示」、「情報」、「コミットメント」は同じクラスターを形成し、「経験」、「イメージ」は別のクラスターを形成しており、仮説の安心の構造図は妥当である。また、野菜における安心の構造は性別によって異なっていることが明らかとなった。
著者
大谷 行輝 廣政 幸生
出版者
明治大学農学部
雑誌
明治大学農学部研究報告 (ISSN:04656083)
巻号頁・発行日
vol.58, no.4, pp.119-136, 2009-03

本論の目的は、ガーデニング向け肥料の市場構造を明らかにし、食品循環資源の肥料化によって造られた肥料のマーケティング戦略を構築することにある。肥料市場は農家向けとガーデニング向けの2つに分けることができこと、ガーデニング肥料の流通はホームセンターが主となっていることを指摘した。本論においては、2つの課題を設定した。一つは店頭にある肥料の属性と肥料購入者の意向との関係を考察すること。もう一つは、循環型社会形成を促進するために、食品廃棄物あるいは食品汚泥によって造られたガーデニング向け肥料のマーケティング戦略を具体的に作成することある。本論の研究手法は、調査データを元にしたクロスセクション分析であり、分析手法として数量化III類を用いた。得られた主要な結果は以下の通りである。1)店頭のガーデニング向け肥料は属性(ネーミシグ、説明文)と価格によって、5グループに分類される。2)肥料購入者の意向は、決まった製品があるか否かによって2グループに分類される。3)1)と2)の分析結果とコトラーのマーケティング理論を組み合わせることによって、食品汚泥から造られる肥料のターゲットは1)の結果のIIとIIIのグループにあること。重要なポイントは少し高めの価格を設定することと食品廃棄物から造られた肥料成分を含んでいることを強調することである。