著者
田村 眞一
出版者
The Tohoku Geographical Association
雑誌
季刊地理学 = Quarterly journal of geography (ISSN:09167889)
巻号頁・発行日
vol.52, no.3, pp.153-165, 2000-08-31
被引用文献数
1

岩手県釜石市唐丹町に, 享和元年 (1801年) の伊能忠敬による三陸沿岸測量を顕彰して, 文化11年 (1814年) に土地の篤学者葛西昌丕 (かさいまさひろ) によって建立された石碑がある。碑文の内容の最も重要な点は, 伊能の測量結果の北極出地に言及し, 西洋の説にいう「地球微動」が存在するか否かの検証を後世の人々に依頼していることである。唐丹町は, 旧仙台藩気仙郡の北端に位置するが, 当時としても最新の科学情報が, このような地域までどのように伝えられたかを考察する。伊能の測量がきっかけとなっているので, 伊能の測量時の日本における天文学事情に立脚して, このような概念に相当する天文現象を考察した結果, 候補として地球の「極運動」あるいは「章動」を推定した。

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