著者
棚田 俊收
出版者
Japan Association for Quaternary Research
雑誌
第四紀研究 (ISSN:04182642)
巻号頁・発行日
vol.38, no.6, pp.461-467, 1999-12-01

神奈川県温泉地学研究所によって決定された1990年から1998年の9年間の震源データを用いて,「神奈川県西部地震」の想定震源域である相模湾北西部における地震活動と地質構造との関係について考察した.<br>地震活動の高い地域は,神奈川・山梨県境や箱根火山のカルデラ内に分布し,それぞれ丹沢山地の隆起運動や箱根火山の火山活動に関連していると見られている.箱根古期外輪山の山麓東部では,地震が深さ10~20kmに発生しており,震源の深さは箱根火山中央火口丘から山麓東部へと行くに従って徐々に深くなっている.この特徴は,火山体近くの熱的構造を反映し,地震発生層の厚み変化を表していると考えられる.<br>一方,伊豆地塊の衝突によって形成された足柄山地や,断層で囲まれた大磯丘陵,湯河原や多賀火山等の第四紀火山地帯では,地震活動は相対的に低い.また,神縄断層や国府津-松田断層などの活断層付近では,浅い地震は観測されていない.

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丹沢山地の「地震はフィリピン海プレートの運動要因に加え、丹沢山地の地質構造と密接に関係して発生しているように見える」。『相模湾北西部およびその周辺地域の地震活動』https://t.co/Op0RJKJF6C

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