- 著者
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久保 伸夫
中村 晶彦
山下 敏夫
- 出版者
- 一般社団法人 日本耳鼻咽喉科学会
- 雑誌
- 日本耳鼻咽喉科學會會報 (ISSN:00306622)
- 巻号頁・発行日
- vol.98, no.8, pp.1263-1269, 1995-08-20
- 参考文献数
- 24
- 被引用文献数
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6
成人178例に対し, 塩酸コカイン200mgとエピネフリン1mgを含んだガーゼタンポンによる表面麻酔下に内視鏡下鼻内手術を行い, 術前および術中の中枢症状, 脈拍, 血圧などの全身症状と術中の出血量, 手術時間を検討した. コカイン麻酔に伴うショック, 妄言, 呼吸抑制などの中枢症状と血圧の変動はなかったが, 毎分20回以上の脈拍の増加を26例で認めたが, 硫酸アトロピンを用いなかった症例では少なかった. 術中出血量は対象群とは有意差はなかったが, 手術時間は有意にコカイン使用群で短かった. コカインは200mg用いて安全であり, 粘膜微小血管からの滲出性出血を抑制することで, 手術時間を短縮すると思われた.