著者
大江 修造 高松 秀明
出版者
The Society of Chemical Engineers, Japan
雑誌
化学工学論文集 (ISSN:0386216X)
巻号頁・発行日
vol.26, no.2, pp.275-279, 2000-03-10
被引用文献数
1

溶媒和モデルを用いた気液平衡における塩効果の推算法を先に提案した. 本モデルにおいては, 混合溶媒の蒸気圧降下を考慮する事によって沸点及び全圧の推算を行っている. 混合溶媒の蒸気圧降下を示す活量係数は構成する各純溶媒+塩系における溶媒の活量係数との間に加算性が成立するとした. 本報においては, 蒸気圧降下を示す活量係数をより正確に表現するために, 異種溶媒間補正係数を導入した関数形を新たに提案した. この補正のための関数形は, [1] 混合溶媒の蒸気圧降下を示す活量係数の極値を表し, [2] 純溶媒の時, 補正を行わず, [3] 多成分系への拡張を可能にするという特徴を有する. これにより混合溶媒+塩系における蒸気圧降下の推算精度を格段に向上できた. さらに, 2成分溶媒+塩系で決定した異種溶媒間補正係数を用いて3成分溶媒+塩系の沸点の推算を行ったところ良好な結果が得られた.

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