著者
深井 洋一 松澤 恒友 石谷 孝佑
出版者
Japanese Society for Food Science and Technology
雑誌
日本食品科学工学会誌 : Nippon shokuhin kagaku kogaku kaishi = Journal of the Japanese Society for Food Science and Technology (ISSN:1341027X)
巻号頁・発行日
vol.44, no.5, pp.367-375, 1997-05-15
被引用文献数
16 7

1. 無洗米は,普通精米と比較し水分含量および明度(L値)が高く,タンパク質含量,粗脂肪含量および総遊離脂肪酸含量が低かった.方法の異なる無洗米間では,総遊離脂肪酸含量で若干の差異が認められた.また無洗米の調製残渣は,タンパク質および粗脂肪の含量が高かった.これらの特徴は無洗米化処理により,糊粉層が普通精米と比べ十分に除去されていることが示唆された.<BR>2. 含気包装による貯蔵試験では,無洗米は初発の高い明度が保持され,糊化特性では,同じ玄米を用いている普通精米と比較して糊化開始温度が低く,最高粘度および最終粘度の経時的な上昇が小さかった.総遊離脂肪酸含量では,無洗米は普通精米と比較して貯蔵中の増加率が低かった.<BR>これらの傾向は,室温のポリエチレン包装貯蔵で顕著であり,Kナイロン包装は若干抑えられる傾向にあった.15℃の低温貯蔵では,貯蔵に伴う経時変化が小さく,無洗米と普通精米との差異も小さかった.<BR>脂肪酸度とADAMの遊離脂肪酸含量との間には,一次式y=2.4x-0.15が成立し,相関係数0.995,危険率1%で有意であった.<BR>貯蔵1年後の食味試験では,無洗米Aは普通精米と比較し,香りでは5%危険率,粘りでは1%危険率でそれぞれ有意差が認められた.この有意差は,低い遊離脂肪酸含量に由来していると推察された.

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