著者
小嶋 美穂子 辻 元宏 丹後 俊郎
出版者
Japanese Society of Public Health
雑誌
日本公衆衛生雑誌 (ISSN:05461766)
巻号頁・発行日
vol.49, no.4, pp.352-360, 2002-04-15
被引用文献数
4

<b>目的</b> 死亡指標として標準化死亡比(SMR)等がよく利用されているが,人口が大きく異なる地域の比較を行う場合に,適切な指標とはならないことがある。そこで,本研究では,人口の調整を行った SMR の経験的ベイズ推定量(EBSMR)を算出し,滋賀県50市町村の死亡状況を知るとともに,死亡と栄養の関連について検討する。<br/><b>方法</b> 1987年~1996年の10年間における滋賀県内50の市町村別死亡数を用いて,全国死亡率を標準とした EBSMR を算出し,疾病の地域集積性の検討に Tango の集積性の検定を適用した。また,EBSMR を目的変数,栄養素摂取量等を説明変数として重回帰分析を行った。<br/><b>結果</b> 全死因で男女共,近江八幡市に集積性がみられた。重回帰分析で,正の因子として,貝類,いか・たこ,肉類,油脂類,漬物,塩魚など,負の因子として,海草類,牛乳乳製品,茸類,豆類,ビタミン B<sub>1</sub> などが抽出された。大津市と湖東地域は,食生活が異なり,集積する死因も対称的であった。<br/><b>結論</b> ベイズ推定による SMR を用いることで,人口が調整され,地域の比較が可能になった。さらに,どの地域にどの死亡が集積しているか検討することにより,滋賀県の死亡状況が明らかとなった。また,栄養素摂取量等との解析より,関連が明らかとなり,今後の保健医療対策を考える上での基礎的資料となった。

言及状況

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こんな論文どうですか? 滋賀県における死亡状況と栄養状況との関連(小嶋美穂子ほか),2002 http://id.CiNii.jp/kRjnB

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