著者
小柳 深 柳田 信也
出版者
日本哺乳動物卵子学会
雑誌
Journal of mammalian ova research = 日本哺乳動物卵子学会誌 (ISSN:13417738)
巻号頁・発行日
vol.21, no.1, pp.31-35, 2004-04-01
参考文献数
24
被引用文献数
3

ポリビニルアルコール(PVA)がマウス初期胚の発生に及ぼす影響を検討した。その結果、0.1mg/mlおよび1.0mg/ml PVA添加培地において牛血清アルブミン(BSA)添加培地と同様マウス初期胚は高率に拡張胚盤胞に発生した。しかし、10.0mg/ml PVA添加培地では、胚盤胞への発生はみられなかった。したがって、PVAは適当な濃度であれば、1細胞期胚の拡張胚盤胞までの発生を支持することが明らかとなり、PVA添加培地は限定培地としてマウス胚の培養に用いることが可能であると考えられる。さらに、本研究ではPVA添加培地を用いて1細胞期、2細胞期、8細胞期および初期胚盤胞のどのステージから培養を開始しても拡張胚盤胞への発生率および拡張胚盤胞期までの各ステージへの発生速度は、BSA培地のものと同じであった。これらのことはPVA培地で各胚は正常な発生過程を経て拡張胚盤胞にまで発生することを示し、PVAは拡張胚盤胞期までの各過程にそれぞれ有効に作用するものと推察される。しかしながら、1細胞期から初期胚盤胞のどのステージから培養を開始しても、脱出中および脱出胚盤胞に発生する割合はBSA添加培地にに比べて減少した。In viroにおける胚盤胞の透明帯脱出には蛋白質分解酵素が関与していると考えられているので、胚盤胞の低い透明帯脱出率は蛋白質分解酵素の生成・分泌能の低下に起因している可能性が考えられる。

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@migihashi384 PVAを培地にするアイデア自体は前からあったんですけどね(小声) https://t.co/MITcb0e58O

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