著者
高田 弘一 堀田 彰一 目黒 高志 平山 眞章 丸谷 真守美 茎津 武大 河野 豊 高梨 訓博 加藤 淳二 新津 洋司郎
出版者
The Japan Society of Hepatology
雑誌
肝臓 = ACTA HEPATOLOGICA JAPONICA (ISSN:04514203)
巻号頁・発行日
vol.45, no.11, pp.603-608, 2004-11-25
被引用文献数
2 4

症例は57歳, 男性. 平成7年11月25日全身倦怠感および食欲不振を主訴に近医を受診. 腹部CTにてHCCが疑われ, 精査加療目的に平成8年1月8日当院紹介入院となった. 精査の結果, 門脈腫瘍栓を伴ったHCC stage IVAと診断した. 同年1月16日と2月21日に, 主腫瘍であると考えられた肝S8, S4のHCCに対してTAEを施行した. 同時期より右骨盤部の痛みと歩行障害が出現した. 原因検索を目的にCTおよび血管造影を施行したところ右腸骨に hypervascular な腫瘍が描出された. 骨シンチグラフィーでも同腫瘍に一致してTcの取り込みを認めた. 臨床経過および画像所見よりHCCの骨転移と診断し, 同腫瘍に対してTAEおよび放射線治療を施行した. その結果, 疼痛は消失し歩行障害も改善した. 画像上も骨転移巣は消失した. その後肝内にHCCが再発し, TAEを計9回とRFAを1回施行した. 平成12年12月頃より肝不全が徐々に進行し, 骨転移が出現してから約6年後の平成14年1月31日永眠された. これまで, HCCの骨転移は予後不良であると考えられていたが, 本症例では長期生存が得られ貴重な症例と考え報告した.

言及状況

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こんな論文どうですか? 骨転移にTAEおよび放射線治療が奏効し6年生存が得られた肝細胞癌の1例(高田 弘一ほか),2004 http://t.co/wLr9kP60

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