- 著者
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好井 久雄
多山 賢二
- 出版者
- Brewing Society of Japan
- 雑誌
- 日本醸造協会誌 = Journal of the Brewing Society of Japan (ISSN:09147314)
- 巻号頁・発行日
- vol.100, no.5, pp.310-338, 2005-05-15
平成16年の味噌の研究業績を見ると, その約三分の一が「味噌の機能性」に関わる研究であることに注目される。つまり,「味噌の良さ」の見直し的研究成果がかなり多く報告されている。これらを前向きの研究開発として発展させ, 精力的に研究開発が進められれば一層素晴らしい果実を期待できよう。味噛の品質やその性状は, 時代とともに変わり得るものであろう。新しい時代やニーズに適応した味噌の改良・改善が積極的に行われ, 高付加価値を有する新しいタイプの味噌の出現が待たれる。本年の一層の研究開発の進展と業界の発展を期待したい。<BR>原料処理に際し副生する, 廃棄物を再利用し収率を上げると同時に, 環境汚染を防こうとの考えがある。新規の製造法としては食酢を電気分解し刺激臭の少ない食酢が得られた。以前は混合菌での発酵が主であったが, 近年は菌名の分かった菌を使用するようになった。良い例がアセトバクターとグルコノバクターを同時混合して製酢を試み, 両菌周辺の酸化能の高い遺伝子をクローニングし, その酵素の存在を確認した。昨年はバルサミコ酢の分析が行なわれたが, 食酢の機能性の報告が少なかった。