- 著者
-
菅野 慎二
河村 葉子
六鹿 元雄
棚元 憲一
- 出版者
- [日本食品衛生学会]
- 雑誌
- 食品衛生学雑誌 = Journal of the Food Hygienics Society of Japan (ISSN:00156426)
- 巻号頁・発行日
- vol.47, no.4, pp.196-199, 2006-08-25
- 参考文献数
- 9
- 被引用文献数
-
3
わが国の市販瓶詰の金属キャップに塗布されたシーリング103検体について,形状,材質,エポキシ化大豆油(ESBO)含有量,共存可塑剤などを調査した.シーリングの材質は 97% がポリ塩化ビニルであり,ごく一部がポリエチレンおよびアクリル樹脂であった.ESBOは全検体から 0.006~42.4% の含有量で検出され,ベビーフード,ジャムなどでは高く,飲料などでは低かった.また,ラグキャップやプレスオンツイストキャップでは高く,ピルファープルーフキャップでは低く,スクリューキャップではばらつきが大きかった.スクリューキャップおよびラグキャップの一部からフタル酸ジ(2-エチルヘキシル)(DEHP),フタル酸ジイソデシル(DIDP)などの可塑剤が検出され,これらのシーリングのESBO含有量はESBOのみの1/10以下と低かった.今回の調査により,わが国で流通するほぼすべてのキャップシーリングがESBOを含有し,80% が主可塑剤として使用していることが判明した.